いよいよ、お待ちかね?のお店選び編です。
おそらく多くの人が訪れるであろう台北版をお届けします。
書いてみたら思いのほか長くなったので、2回に分けてご紹介します。
個性的なお店もあれば、無難なお店も
台北の街中には、お茶屋さんが星の数ほどあります。
通りを少し歩くだけでも、数軒のお茶屋さんを見かけることでしょう。
それぞれのお店が、さまざまな個性を持っていますし、お店に行く人の事情はそれぞれ違います。
ですので、本当の意味での良いお店をピックアップするのは、至難の業です。でも、そこに挑戦してみます。
日本人向けという観点では、台北ナビや旅々台北などに、たくさんのお店が紹介されています。
記事を読むと、どこも良さそうに書いてあります。半分広告なので、仕方ありません。
「本当のところ、どこが良いの?」というのが、気になるところかと思います。
全てのお茶屋さんを回ったわけではないので、あくまで私が行った範囲(それでも数十軒は行っていると思います)の個人的な感想レベルですが、いくつかオススメのお茶屋さんをピックアップしてみたいと思います。
今回のお店の選択基準は、私個人の好みというより、評茶員的な視点から見て”妥当な品質のお茶をフェアプライスで提供しているか”に重点を置いています。
初台湾・初お茶屋さんという方向け
「初めて台湾に行きます」
「あまりお茶は詳しくありません」
「中国語もわかりません」
という場合は、とにかく楽しくお茶を選んでいただけそうなお店が良いかと思います。
そうなると、
日本語の通用度も高めで、初心者の来店に慣れている店
が選択基準になります。
これはガイドブックに載っているようなお店(非チェーン店・チェーン店・土産物店)だったら、大抵条件を満たしています。
そうしたお店を私もかなり回りました。
回ってみると、オーナーさんの人柄が良いお店、親切なお店というのがたくさんありました。
それぞれのお店に熱心な日本人の常連さんが付いている理由も分かります。
が、残念なことに、このようなお店が必ずしも品質の良いお茶を扱っているとは限りません。
なかには、客の知識や経験が無いのを見越して、あまり良くない茶葉を売っているお店もあります。
香りや味が強い方がウケると勘違いしたのか、香料や調味料を添加したお茶を提供するお店もあります。
そういうお茶に慣れてしまうと、そこでお茶の探究心はストップしがちです。
できれば、茶葉由来の自然な香りを楽しんでいただきたいな、と個人的には思います。
色々回った中でも、親切で、確かなお茶を扱っていて、品揃えも豊富な印象のあるお店として、こちらをご紹介します。
新純香茶業
最寄り駅:MRT中山駅
訪問レポ:2007年・買い方ガイド付き 2009年 2011年 2012年
こちらのお店は試飲をして、味や香りを確かめながら買うのが基本のお店です。
その際に、このお店オリジナルのお茶請けが一口サイズになって出てきます。
きのこチップ類は、台湾リピーターの方にも人気で、わざわざここへ出かけて買ってくるほどです。
お茶請け付きの試飲スタイルは、土産物屋的お茶屋さんで多いパターンです。
そうしたお店では、パイナップルケーキとかを売るのがメインで、お茶はついで・・・になっているお店も結構あります。
が、こちらはあくまでお茶屋さんです。お菓子も美味しいですが、それ以上にお茶がきちんとしたものが多いので、安心できます。
台湾のほとんどのお茶が揃いますが、特に高山烏龍茶や文山包種茶など、清らかな香りのお茶が得意分野だと思います。
また、烏龍茶の味わいに大きく影響を与えるのが焙煎です。
こちらでは未焙煎から軽く焙煎したもの、焙煎を重めにかけたものなどのバリエーションが用意されています。
たとえば、「香りは良いけど、少し生っぽいor青みが強いお茶だな」と感じたら「少し焙煎をしたものはありますか?」と聞けば、そうしたお茶が出てきます。
いわゆる観光客向けの店で、ここまでの品揃えを揃えているところは、あまりありません。
地元の人も常連さんにいる理由はこのへんだと思います。
さらに問い合わせが多いからなのか、大陸の烏龍茶である鳳凰単叢(フルーティーな香りの烏龍茶)や花の開く工芸茶、プーアル茶もラインナップにあります。
どれも品質的にはきちんとしたものを置いているので、それらのお茶でも安心できます。
販売単位は、1つのお茶につき100gパックが基本ですが、お土産用や少しだけ買いたいときは50gパックを作ってくれたりもします。
基本的には試飲して買うのがオススメですが、急ぐ方向けにはパッキング済のお茶もあるので、リピーターの方の指名買いや看板を信じてのパッと買いにも対応できます。
クレジットカードが使えたり、日本からの注文(日本の銀行に振り込み)にも対応していたり、お茶の淹れ方の説明書きをつけてくれるのも地味ですが大切なポイントかもしれません。
こんなふうに日本人向けの買いやすさ・サービスの良さとお茶の品質を両立させている貴重なお店だと思います。
※たまに接客態度の良くないアルバイト店員さんが居ることもあります。チェーンではなく個人経営のお店なので、これはやむを得ないところかと思います。
もちろん、そうした心地よいサービスの分は、お茶の価格に若干乗っているわけですが、十分に納得できるレベルだと思います。
たくさん買うと、高級ティーバッグだったり茶道具、お菓子のおまけが付いてきたりもします。
きちんとお客さんに還元する姿勢があるので、常連さんもついているのだと思います。
今年の6月にも顔を出してきましたが、お菓子の新商品だけでなく、蜜香のある丹蜜烏龍茶などお茶の新商品も色々出てきており、一般の方なら飽きずに通えるお店だと思います。
新純香茶業
住所:台北市中山北路一段105巷13-1号
営業:10:00~22:00
定休:旧正月は1週間休み
最寄り駅:MRT中山駅
クレジットカード:利用可
日本語:簡単なものなら可(オーナーさんはペラペラ)
http://www.taiwangoodtea.com.tw/
https://www.facebook.com/newpuretea/
用途や買いたいお茶、お茶の経験値に応じて、お勧めの店は違います
ライトなお茶好きさんであれば、ハッキリ言って、このお店だけで十分かと思うのですが、
「手早くパパッと買えるお店がいい」
「おみやげ用にパッケージに凝ったものが欲しい」
「まとめ買いで安く買いたい」
「違う個性のお茶も飲んでみたい」
「驚くぐらい美味しいお茶を飲みたい」
「○○茶の特に美味しいものを飲みたい」
など、いろいろな要望が出てくるようであれば、他のお店を探検してみても良いかもしれません。
普段のお買い物でも、何を買うかによって、行くスーパーマーケットが違うと思います。お茶屋さんも、それと一緒です。
お店の数だけ、お薦めできる用途や得意分野があります。
そんな個性的なお店を、用途別に分けてご紹介してみようと思います。
手早くパパッと買いたい・お土産用に見栄えのする包装を
お茶を買うなら1時間半から2時間ぐらい時間をとり、ゆっくりと試飲してお茶を選ぶのが理想です。
が、そうは言っても観光客とは時間が無いものです。
「試飲をして選ぶ時間はないので、パパッとある程度の品質のお茶が買えるところ」という条件であれば、チェーン系の販売店が良いのではないかと思います。
これらのお店は、オリジナルのパッケージにもこだわっていたり、詰め合わせセットなどを用意していることが多いので、お土産向きでもあります。
ただ、基本的に販売されている商品は、工場でパッキング済の規格商品になるので、難点もあります。
全店に同じ商品を並べられるよう、まとまった茶葉の量を確保する必要がありますから、当然、ブレンドは避けられません。
そのためチェーン系のお店で扱っているお茶は、劇的に美味しいというよりは、この価格でこの品質なら良いんじゃないですか、という味わいになってしまうのは致し方ありません。
チェーン店の宿命で、個性的な味より安定的な量と味が優先されますので。
また、その際にどういうお茶がブレンドされているかは分からないので、必ず台湾産か?と言われると断言できません。
どこのお店も100%台湾産を謳っているのですが、実際、以前の記事で紹介したチェーン店が産地偽装で摘発されたりしました(←軽くトラウマです)。
なので、産地にあまり神経質にならない方にお薦めしたいと思いますし、あんまり高いお茶(高級な高山茶など)を買うのはお薦めできません。
台湾の消費者も、大手の店をあんまり信用していませんし(台湾人でこだわる人は、茶農家さんのところまで直接買いに行きます)。
試飲は、時間的に行わないorできないとすると、銘柄指名買いが前提です。
チェーン店の店舗は市内各地にありますが、今回は例として日本人も多く訪れる永康街商圏の中からピックアップしてみました。
王徳傳
最寄り駅:MRT東門駅
台南発祥の老舗のお茶屋さんです。
真っ赤な缶に入ったパッケージがオシャレなお店です。
一時期は台湾の食品大手企業・味全グループの傘下に入り、大陸(上海、杭州、蘇州)、香港などへも進出しています。
が、2016年1月に創業家が株式を買い戻し、味全の傘下からは外れました(お茶の観点からは良かったと思います)。
こちらのお店では、個人的には、凍頂烏龍茶と安尚烏龍茶をお薦めします。
どちらもお値段が比較的お手ごろな割に、品質が良いと思います。
凍頂は爽やか、安尚はやや発酵&焙煎強めの烏龍茶です。
王徳傳 台北永康店
住所:台北市永康街10-2号
営業:11:00~21:30
最寄り駅:MRT東門駅
http://www.dechuantea.com/
https://www.facebook.com/dechuanTEA/
不二堂
最寄り駅:MRT東門駅
茶器メーカーの陶作坊が手がける新しい茶葉チェーン店です。
スタイリッシュな缶に入ったお茶があるほか、ギフト用の詰め合わせセットなども豊富です。
お茶の品質的にはチェーン店らしく無難にまとめている印象がありますが、特徴が表れているのは味が濃いめのお茶ですね。
例えば、凍頂烏龍茶などは火入れが一般のよりも強めにかかっています。
磁器の蓋碗などで淹れるとちょっと味がキツいのですが、陶作坊製の陶器の茶器で淹れるとまろやかに入るようです。
というわけで、陶作坊の茶器を愛用している方には、良いお店かもと思います。
他のお店には無いオリジナル茶器の品揃えがあるところも、器好きの方には良いかもしれません。
なお、このお店の近くにあるGallery(麗水街13巷8号)の方では、お茶も飲めるようです。
新興チェーンなので、これからの伸びしろに期待です。
不二堂 永康公園店
住所:台北市永康街10-5号
営業:11:00~21:00
最寄り駅:MRT東門駅
http://www.ateliea-tea.com
https://www.facebook.com/cteabar/
お茶をまとめ買いしたい
自分が飲むお茶を、半年分とか1年分まとめて買って帰りたい、というニーズもあるかと思います。
その場合は断然お薦めなのが、お茶の問屋さんで買うことです。コスパが違います。
気取らない普段飲みのお茶であれば、伝統的な問屋さんへ。
簡易包装なことが多いですが、市中のお店よりも同じお値段でワンランク上のお茶が入手できます。
もっとも、基本的にはお店独自のブレンドが施されたお茶なので、年による出来不出来もあまり影響を受けませんし、産地の特定も厳密ではありません。
日本のお茶屋さんのように、「うちは○○園さんのところの、○○円のお茶をいつも飲んでるの」的な買い方をするお店です。
お茶はよく分かんないけど、この店のお茶なら間違いない、的な。
これが面白くない人には向きません。
高級なお茶を安くということであれば、新興の問屋さんへ行くと良いでしょう。
お茶は農作物なので、年による出来不出来もありますが、それも個性と考えるタイプのお店です。
ロットによって味や香りに違いがあるので、実際に試飲をさせてくれることも多いです。
「お茶はシングルオリジンじゃないと!」という、こだわり派の人が行くべき問屋は、こちらのタイプのお店です。
いずれもお値段は市中のお店よりも安いのですが、基本的にはクレジットカードが使えません。
さらに販売単位は最低でも4両(150g)からです。
ディスカウントは、やはり現金勝負&薄利多売です。試飲などの際の細やかな接客なども期待してはいけません。
そこを踏まえた上で、まずは伝統的問屋さんからご紹介します。
林華泰茶行
最寄り駅:MRT大橋頭駅
歴史ある老舗の茶葉問屋さんです。
日本の渋谷にもお店がある華泰茶荘は、こちらの長男(四代目)の方が経営する小売り部門です(本店は総統府近くの博愛路にあります)。
いつも半分シャッターが閉まったようになっていますが、これで通常営業中です。
朝早くからやっているので、帰国日の朝に急に買い足したいときも対応できるお店です。
こちらは大きなドラム缶の中に無造作に茶葉が入っており、注文が入ると大きなスコップでガサッと袋に手早く詰めていってくれます。
まさに「問屋」という感じのお店なので、現地でお茶を買っている感を濃厚に感じられるお店です。
1斤で100元を切るような激安のお茶も置いていますが、これらは海外産の輸入茶です。
分かりやすい産地表示などはありませんが、聞けばお茶の素性はちゃんと教えてくれるので、遠慮なく聞きましょう。
日本語の少し出来る店員さんが1人います。
ここのお店の考え方として、1斤1000元もすればスゴいお茶だ、というのがあります。
その関係からか、1000元以上のお茶は、奥の別室にあります。
少しお値段の張るお茶を探したい方は、店員さんに声をかけてそちらへ連れて行ってもらいましょう。
お薦めのお茶ですが、お店のコンセプト通り、1000元前後のお茶が良いと思います。
たとえば、1000元の凍頂烏龍茶、1600元の高山烏龍茶などです。
このへんは、他のお店と比べても、コスパが良いと思います。
あとは元々が文山包種茶の産地出身ということもあり、文山包種茶(こちらのお店では清茶と呼んでいます)は手頃でお買い得なものが多いと思います。
難点としては、パッキングがかなり簡素で、ビニール袋に詰めるだけなところです。
荷造りをしっかりしないと茶葉が崩れちゃったりしますので、必要があれば店頭に置いてある有料の缶を買い、それに詰めてもらいましょう。
ビニールのまま持ち帰った場合も、帰国後にすぐ別の密封容器に詰め替えたりする必要があります。
せっかくのお茶が湿気てしまったら台無しですからね。
なお、後ろの方には焙煎や選別などの仕上げを行う作業場があり、店員さんに言うと見学させてくれることもあります。
林華泰茶行
住所:台北市重慶北路二段193号
営業:7:30~21:00
最寄り駅:MRT大橋頭駅
クレジットカード:不可
日本語:少しできる人がいます
http://linhuatai.okgo.tw/
林茂森茶行
最寄り駅:MRT大橋頭駅
林華泰茶行の隣に2011年の夏、新しくオープンしたお店です。
こちらもほぼ同じシステムの問屋さんでして、オーナーさんは隣の林華泰茶行の次男の方(四代目)です。
・・・まあ、老舗なんで色々あるんです。察しましょう(^^;)
お店はオープン後に改装しまして、かなりスタイリッシュな雰囲気になっています。
が、大きなドラム缶がドーンと置いてあるなど、販売スタイルは変わりません。
一部のお茶は真空パックをしてくれるのが、隣と少し違う点です。
品揃えなどもほぼ変わりはないのですが、お茶の仕上げが少し違います。
こちらの方がやや発酵強め、火入れも強めな印象があります。微妙な差なので誤差の範囲ですが(^^;)
店員さんには、日本に留学経験のあるオーナーの息子さんがおり、彼の日本語は世間話が出来るぐらいに流暢です。
どちらのお店も扱っているお茶のグレードなどに大差はなく、お薦めのお茶もほぼ同じです。
実際に現地に足を運んでいただいて、フィーリングの合う方に入ると良いでしょう。
林茂森茶行
住所:台北市重慶北路二段195-3号
営業:8:30~21:00
最寄り駅:MRT大橋頭駅
クレジットカード:不可
日本語:オーナーの息子さんは流暢
http://www.linmaosen.com/
有記名茶
最寄り駅:MRT双連駅or北門駅
お茶の問屋さんが集まる大稻埕の中にある老舗の茶葉問屋さんです。
最近は五代目が後を継いでから、積極的に店舗展開もしています。
問屋から小売りへ移行中・・・という感じも受けます。
こちらのお店の強みは炭火の焙煎にあります。
本店に伺うと奥の炭火焙煎の部屋を見せてくれたりします。
そんな炭火焙煎の技術を遺憾なく発揮したお茶が、こちらの看板茶である奇種烏龍茶です。
文山包種茶を炭火で焙煎したお茶で、ほうじ茶系が好きな方なら、おそらく気に入るお茶です。
このほかにも、炭火焙煎を施した高山烏龍茶などもあります。
問屋さんグレードですが、火入れをしたお茶が好きな方は、チェックして損の無いお店だと思います。
有記名茶
住所:台北市重慶北路二段195-3号
営業:9:00~19:00
定休:日曜日
最寄り駅:MRT双連駅or北門駅
日本語:英語は可
https://wangtea.com.tw
ここまでは伝統的な問屋さんです。
続いて、新興の問屋さんをご紹介します。
富宇茶行
最寄り駅:MRT民権西路駅
MRT民権西路駅のすぐ近くにある、お茶の問屋さんです。
阿里山や杉林渓、梨山などの著名産地の美味しい高山烏龍茶をガサッと買いたいと思っている方には、是非行っていただきたいお店です。
各主要産地ごとに、未焙煎のものと焙煎したものの2種を取り揃えています。
このほか、かなりお値段は張るものの美味しさが評判の「華岡台湾第一等」や福寿山農場のオフィシャル缶(2缶セットで150g)などのブランド茶だったり、苗栗の東方美人のコンテスト茶が置いてあったりと、クオリティーの高いお茶が色々あります。
※ブランド茶やコンテスト茶などの缶に入ったお茶は試飲できません。
高級茶ばかりかと思えば、1斤600元という激安な四季春も、香りがとても高くて美味しかったり・・・
品質と価格のバランスが良すぎるぐらいのお店です。
問屋さんの中でも品数を少し絞り込んだ、カテゴリーキラーなお店かな、と思います。
私の印象では、清らか系のお茶は、どれも得意のように感じます。
こちらのオーナーさんのお嬢さんは日本語が出来るので、試飲をするときなども意思疎通は容易だと思います。
敢えて難点をあげるとすれば、普通のお茶屋さん風で問屋っぽくない雰囲気でしょうか(笑)
何度か台湾に通い、ある程度、自分のお茶の好みが分かってきた方なら、行って損のないお店だと思います。
富宇茶行
住所:台北市撫順街35-6号
営業:8:30~21:00
定休:日曜
最寄り駅:MRT民権西路駅
クレジットカード:不可
日本語:オーナーのお嬢さんのみ可
https://www.facebook.com/fuyuteahouse/
意翔村茶業
最寄り駅:大安森林公園駅or東門駅
台湾茶に関する書籍を何冊も書いている陳煥堂老師のお店です。お店というか事務所風です。問屋なので。
現在の台湾茶の主流は、発酵も焙煎も浅めの清らか系なのですが、陳老師はそこに異を唱えている方です。
こちらで扱うお茶は発酵のしっかりした、伝統的な製法の烏龍茶です。
発酵と焙煎によるフルーティーな香りを有した烏龍茶の世界が、ここにはあります。
お店を始めて訪ねた方には、6~7種類ぐらいのお茶をテイスティング形式で試飲させてくれます。
凍頂烏龍茶、高山烏龍茶、東方美人茶などのメジャーなものも勿論あるのですが、このお店ならではの肉桂烏龍茶(大陸の肉桂品種を台湾で栽培しているもの)や発酵高めの看板茶である古典美人茶(100g200元とお安い)などの変わり種もあります。
販売単位は100gずつパックしてくれるので、問屋でありながら100g単位で購入できるのも嬉しいところです。
こちらで扱っているお茶は、テイスティングで出てくるお茶だけではありません。
文山包種茶、梨山茶、紅茶など、リクエストをすると、色々なお茶を出してくれます。
全て、お茶としての作りがしっかりしていることが前提のお茶ばかりで、お眼鏡に適ったものがないときは「無い」と言われます。
清らか系ではなくて、発酵と焙煎のしっかりしたお茶が欲しい方は見逃せないお店だと思います。
こちらも問屋だけあって、レギュラーなお茶は、お値段も比較的リーズナブルです。
スペシャルロットになるとビックリするぐらいの値段がするお茶もありますが、それは買う人も限られるので。
お手ごろなお茶から、スペシャルなお茶まで揃う懐の深いお店とも言えます。
難点は、どんなお茶があるのかが一覧になっているわけではないので、リクエストしづらいところだと思います。
お茶は共通ながら、その点をクリアする別の小売り店(春點)もあるので、場合によっては、そちらに行くことを検討されても良いでしょう。
意翔村茶業
住所:台北市新生南路一段161巷6-2号
営業:9:30~18:30
定休:日曜
最寄り駅:MRT大安森林公園or東門駅
クレジットカード:不可
日本語:陳老師が少しできます
思いのほか長くなったので、一旦記事を分割します。
次は、こだわり派の方向けのお店を紹介していきます。
続く。
だんだんマニアックなお店になっていきます
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