春水堂などの大手チェーンの進出で、すっかり定着してきた感のある、台湾の茶飲料。
タピオカミルクティーなどは、かなり本場の味を楽しめる雰囲気になってきました。
そんななか、銀座にちょっと隠れ家的な台湾茶飲料専門店が、今年の9月23日にオープンしました。
Cha Novaさんです。
Novaはラテン語で”新しい”の意味。
「新しい茶」という意味合いと「茶の場」の2つをかけているそうです。
銀座の”入口”的な場所にあるお店
お店の場所は銀座1丁目。
東京高速道路の向かいで、有楽町駅や銀座一丁目駅、京橋駅の方が近いです。
外堀通りにも近いので、東京駅の八重洲南口あたりからも歩ける距離です。
地方の物産館巡りが好きな方には、沖縄物産を扱う銀座わしたショップや高知県産品を扱う、まるごと高知の近く。
紅茶党の方には、リプトンのティーハウスのあるビルから、高速に沿って京橋方面へちょっと行ったところ、と言えば早いかもしれません。
銀座の「入口」という感じの立地なので、ショッピングに行く前や帰るときに一休み or 持ち歩くお茶を補給するには、使い勝手の良い立地ともいえます。
お店は地下1階です。こちらの階段を降りていきます。
なんだか、えらい急な階段だな・・・と思ったのですが、この理由はお店に入ると分かります。
お茶は全て台湾産。銀座なのに、お手ごろ価格
階段を降りて右手に行くと、お店の入口が。
そこにカウンターがあるので、まずはここでお茶を注文&会計します。
ベースのお茶は4種類。
緑茶(ジャスミン緑茶)、青茶(四季春烏龍茶。発酵の軽い爽やか系)、烏龍茶(鉄観音。火入れのしっかりした香ばし系)、紅茶(日月潭のアッサム種)で、いずれも台湾産です。
ここでポイントとして強調しておきたいのは、紅茶も台湾産だということですね。
台湾のドリンクスタンドはコスト面もあって、だいたいがスリランカ産の紅茶だったりします。
が、日本にある台湾茶飲料専門店なのに、敢えて台湾産を使っているという。
何でこういうことになるのかは、オーナーさんのバックグラウンドを知ると分かると思います(後述)。
お茶のストレートは、450円。
ベースのお茶に、蜂蜜やレモン、牛乳(ラテ)を加えたものは、500円。
そこにタピオカを足すと、プラス50円で550円という感じです。
フルーツを使った手作りのデザートもあり、こちらは300円。
※いずれも税別価格です。
店内で飲めるスペース(カウンター4席、テーブル席10席)もありますし、専用のボトルでのテイクアウトも可能です。
んー、このお値段は、銀座にしては良心的すぎるんじゃないですか?と思います。
チェーン店などを除けば、銀座でゆっくりお茶しようと思うと、結構しますので。だって、銀座だもの(みつを)。
店内で飲む場合は、注文したらお好きな席へ。
お店の方がテーブルまで持ってきてくれます。
テイクアウトの方は、お茶が出来上がるまで少し待つためのベンチがあります。
1杯1杯、丁寧に抽出するので、ちょっとお時間がかかります。
急いでいるときや多めの注文の時は、電話での事前注文が良いのではないかと。
地下店舗ながら、天井高めで居心地は良好
お店の中の雰囲気はこんな感じ。
コンクリート打ちっぱなしのモダンな感じの空間です。
Wi-Fiがあったり、カウンター席にはコンセントもあるので、ノマドなモバイラーさんも重宝しそうです。
「それにしても地下なのに、何でこんなに圧迫感がないんだろう?」と思ったのですが、それが入口の急な階段の答えです。
天井が高いので、広々とした感じを受けるんですね。
その高さ分だけ、階段が急になっているというわけです。入ってみて納得しました。
「地下のお店は、なんだか・・・」という方も、一度行ってみると印象が変わると思います。
まさに隠れ家的なお店です。
意外なほどに本格派のお茶
席に着いて、待つこと5分ほど。お茶が来ました。
アイスの蜂蜜檸檬青茶とパイナップルケーキです。
蜂蜜檸檬青茶は、台湾のドリンクスタンドと同じスタイル。シェーカーに氷を入れてシェイクして、お茶とレモン、蜂蜜をよく混ぜ合わせています。
なので、注ぎたての時は、まるでビールのように泡立つんですね。
肝心のお茶なんですが、青茶というのは四季春。
台湾のドリンクスタンドでも定番のお茶なのですが、ここのは明らかに安物では無い味が・・・
四季春、香りが高い品種なんですが、作りが荒いと雑味が出たりします。ところが、こちらのお茶は、そのようなことはなく。
お茶の味だけで言ったら、台湾の大手ドリンクスタンドよりレベルは上ではないかと思います。
で、お茶そのものが爽やかなところに、レモンが効いていて、スッキリと飲めるスタイルに仕上がっています。
夏場なら、クイクイ飲めちゃう感じです。
オーナーさんの考え方として、お茶の味を活かせるように、柔らかな甘みを追求しているそう。
蜂蜜の自然な甘さを活かすということや、砂糖はきび砂糖を使うなど、随所に独自の工夫をしているとのこと。
白砂糖を使ったシロップの強い甘さではないので、全般的に標準でも甘さは控え目な方だと思います。
さらに、氷や甘さは、現地のドリンクスタンドのようにカスタマイズ可能とのことなので、何度か試して、自分にとって最適なラインを見つけるのも面白いかもしません。
一緒に頼んだパイナップルケーキにも、その考え方は反映されています。
果物そのもの甘さを活かし、全体的に甘さは控え目で、お茶の味が引き立つようになっています。
他のデザートもアップルタルトなど果物を使ったもので、手作りとのことです。
実は、帰りがけにお茶をもう1種類。
テイクアウト用として、ホットの蜂蜜烏龍茶ラテも頼んでみました。
テイクアウトの場合は、このようなプラスチックボトルに詰めてくれます。
アイスもホットもこの容器で、蓋の部分はスクリューキャップになっているので、飲みかけでもこぼれる心配なく持ち歩けます。
ホットの場合でも、温度を60度以下に下げてから詰めるので、プラスチックのにおいが気になったりなどはしませんでした。
で、こちらのお茶は、火入れがしっかりした鉄観音茶がベースです。
そこにミルクと蜂蜜を加えたドリンクなんですが、これはホットで飲むと非常に美味いですね。
まず、蓋を開けると、鉄観音茶の香ばしい香りが漂います。
ミルクも脱脂粉乳などではなく、フレッシュなミルクなので、滑らかな口当たり。そこに蜂蜜の香りと甘さが加わるので、とてもバランスが良いです。
スタバのほうじ茶ラテがお好きな方は、是非こちらを試して欲しいな、と思います。
優しい味わいのドリンクなので、これからの寒くなる季節にはオススメです。
店内ではマグカップ提供のようなので、それだとさらに美味しいかも。
こうなってくると、タピオカのQQ感はどうか、とか日月潭の紅茶はどうなんだ、とかも気になるんですが、それはまた次回にしたいと思います。
台湾で修行した若きオーナー
「流行りのタピオカミルクティー屋さんか」と思って油断して入ると、お茶好きさんでも納得するようなクオリティーのお茶を出してくるお店です。
そうなると「このオーナーは何者?」という疑問が出てくるかもしれません。
こちらのオーナーのIさんは、台湾茶に魅せられてしまった若者。
日本国内で、評茶員や茶藝師の資格を取得したり、お茶好きさん路線をググッと突っ走っていた方です。
実は彼のことは、その当時から知っていたのですが、あるとき脱サラして、台湾へお茶修行に出かけていきました。
台湾では某茶藝館で働いたり、産地にあちこち出かけて、お茶を作ったり。茶産地の農家さんのところでバッタリ出くわしたこともありました。
かなり本格的なお茶修行をしていたのですが、驚くべきはその後。
ドリンクスタンドの激戦区である台湾で、お店の立ち上げ店長として、イチから従事するという得がたい経験をしています。
残念ながら、そのお店はオーナー会社の方針で閉店となってしまったのですが、こういう経験をした日本人というのは、そうはいないと思います。
そうした現地での経験を引っさげての、今回のお店のオープンなんですね。
お茶好きさんがお店をやると、お茶の品質水準の最低ラインは崩せないものです。
そんなわけで、ドリンクスタンドみたいなものかと油断をしていると、結構レベルの高いお茶が出てくる台湾茶飲料店という、非常に面白いお店になっているんですね。
決して大きなお店ではありませんが、繁華街・銀座にある、お茶好きのためのちょっとしたオアシスです。まさに茶の場。
銀座にお越しの際は、是非お立ち寄りを。
Cha Nova
住所:東京都中央区銀座1-5-1 第三太陽ビル B1
電話:03-6263-2727
営業:火~金 11:00~20:00
土・日・祝 11:00~18:00
定休:月曜(祝日の場合は営業。翌火曜日が休業)
http://chanova.jp/
Facebookページ
テイクアウトして銀ブラもアリです(^^)
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