お茶

日本全国茶館めぐり-札幌茶楼 茶譜(札幌市中央区)

最近個性的なお店のオープンが相次ぎ、札幌中心部の中でも注目が集まっている創成川イースト。
2016年8月29日に落ち着いた空間で台湾茶・中国茶を飲めるお店がオープンしました。

札幌茶楼 茶譜(さっぽろさろう ちゃぷー)さんです。

エスタにあった「茶譜」が復活

こちらのお店は、札幌ESTAで2007年8月まで営業していた「中国的茶楼 茶譜」の店長さんだった方がオーナーです。

お店の閉店後、店長さんは、お茶会を実施したり、イベントに出店したり。
さらには定休日のカフェなどを借りて、月に数回の営業を行うなど、地道にお茶の活動を続けて来られたそうです。

そして、一昨年のイベント「北の茶縁日和」などを通じて、想いを強めたオーナーさんは、クラウドファンディングなども活用しながら、お店を再オープンされました。

新しいお店は、カウンタースタイルで全部で8席ほど。サロンとお店の中間に近いスタイルのお店です。
ただ、開店と同時に、当時の常連さんが噂を聞きつけて訪ねてきたり、最近、お茶に興味を持ったという初心者の方もいらっしゃったり。
お店という場ができたことによって、どんどん輪が広がっているようです。

小ぶりな蓋碗にたっぷりの茶葉

お茶は、台湾茶を中心に中国茶も含めて、大体20種類ほど。
幅広く揃っていますが、烏龍茶が少し多めのラインナップです。
なお、お茶の種類は、店長さんが定期的に買いつけに行かれるので、その都度、少し入れ替わるそうです。

店長さんと相談して、まずは冒頭の写真の「雪包種茶」を注文しました。

このお茶は、今回のオープンに合わせて、旧・茶譜時代から懇意の取引先のお茶屋さんが用意してくれたスペシャルロットだそうです。
昨年の冬は、台北郊外の木柵でも雪が降るなど、ちょっと異例の天候でした。
そのため、この年の春茶は、雪の影響を受けた面白いものが出来たそうで、オープンに合わせた珍しいお茶として取っておいてくれたのだとか。

さて、こちらのお店のユニークな点としては、1人用サイズの小ぶりな蓋碗を使うところです。

小さな蓋碗にたっぷりの茶葉

このスタイルは、旧・茶譜時代から受け継いだものだそうです。
小ぶりの蓋碗は小さい分、取り回しもしやすく、初心者さんでも使いやすいと思います。
お茶を蓋碗にいっぱいになるぐらい使用しても、量は控えめになりますから、品質の良いお茶でも、お手ごろな価格で提供できるメリットもありそうですね。
手元には、電気ケトルが備え付けられているので、熱々のお湯を使って、マイペースにお茶を淹れられるようになっています。

冒頭の写真の雪包種茶は、思っていたより、しっかり目の発酵をさせたお茶でした。
その分、香りの変化も多いのですが、驚くのは甘みが強いことですね。
実に味わいの深い包種茶で、なるほどスペシャルロットなお茶だと思いました。

日を改めてお邪魔したときは、東方美人も。

青心烏龍種のしっかり目の東方美人でした。

なお、お茶を注文すると、きのこチップスやさんざし、ひまわりの種などのお茶請けが付いてきます。
お茶を飲んでいると、ちょっと何かをつまみたくなるので、嬉しいですね。

スイーツや軽食も

お茶請けとしては他にも、スイーツや軽食メニューがあります。
季節ごとに色々入れ替わるようですが、軽食などは時間帯問わず提供しているので、軽い食事とお茶も出来そうです。

私がお邪魔したときはスイーツは4品ほどあり、その中から、お茶とのマッチングを考えて、豆腐花糖水を。

いわゆる豆花なのですが、丁寧に作られていますし、トッピングがたっぷり入っていて、とてもお得感があります。
透明なのはお茶のゼリーで、しっかりお茶の香りがあります。
こうしたスイーツ類もレベルが高いので、季節ごとに変わるスイーツを目当てにお店に来ても楽しそうです(^^)

茶器や雑貨、お菓子の販売も

お店では座席の後方の棚に、茶器や茶葉、台湾雑貨、さらにはお菓子などが展示され、販売もしています。
こちらでお茶を飲んでみて、「同じような道具でお茶を淹れたい!」と思ったときにも、買えるようになっています。
また、お茶請けや月餅なども置いていますので、お茶とお菓子を手土産にするのも良さそうです。

特に月餅はゴマ餡、ピーナッツ餡などがあるのですが、餡がギッシリ入っていて、ゴマやピーナッツの香りがたっぷり。
月餅にありがちな油のキツさもなく、洋菓子のような感覚で美味しく食べられるので、オススメですね。

初心者の方でも安心して入れるお店

私がお邪魔したときは、オープンから1ヶ月半ほどの時期だったのですが、既に安定したオペレーションになっていました。
通常、オープンしたばかりのお店というのは、色々な点でバタバタするものなのですが、まるで、もう何年も営業していたお店?のようでした。
ルーキーから、この落ち着きぶり。大谷翔平みたいなお店です(←ファイターズの本拠地だけに)。
このお店のオープンがゴールではなくて、おそらく、もっともっと将来に向けて伸びていきそうな、そんな感じを受けました。

オーナーさんは、長らく店長を務めていただけあって、初心者の方への淹れ方のアドバイスも的確でした。
ここは、教室ではなくお店なので、手取り足取りとは行きません。が、初めての方でも、オーナーさんから淹れ方を見せてもらって、聞き、何煎か淹れているうちに自分で淹れられるようになりそうです。
お客さんの多さなどにも左右されるとは思いますが、オーナーさんは、”自分で出来るだけやりたい人”には遠くから見守る感じで、”初めてで不安”と感じている方には、近くで見守る感じで。「絶妙な間合いだな~」と、個人的に大変感心して見ていました。

「中国茶は興味があるけど、何か大変そう。難しそうだ」という方には、是非訪れて欲しいお店だと思います。
店長さん自身が、旧・茶譜で初めて中国茶に出会い、そこからお茶をスタートされた方です。
きっと、中国茶の世界の扉をやさしく開いてもらえるお店だと思います。

 

札幌茶楼 茶譜(さっぽろさろう ちゃぷー)
住所:札幌市中央区南二条東1-1-12 フラーテ札幌3階
電話:011-213-1970
営業:11:30~20:30(日祝11:30~19:00) ※連休の場合は最終日19時閉店
定休:火曜日
http://ameblo.jp/chapu-chainatea/
https://www.facebook.com/sapporochapu/

中国茶情報局の紹介ページ

日本全国茶館・茶荘・教室めぐり一覧

<アクセスについて>
お店が入っているビルは、創成川通り沿いのこちらのインテリアショップNOCEが入っているビルです。

このビルには入口が2つあるのですが、お店の入口はビルに向かって右側のこちらの入口です。

エレベーターで3階に上がり扉が開くと、このような風景が広がります。

正面に見える、焦茶色の扉が茶譜さんの入口です。
ドアを開けたところで、靴を脱いで上がるスタイルです。
入って右側がお店のカウンターになります。

なお、この奥には日本茶カフェの 日本茶・にちげつ さんがあります。
こちらもオーナーさんが日本茶を1煎1煎丁寧に淹れてくれる、とてもよいお店です。
茶譜さんとあわせて、ぜひ行ってみて下さいね。

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すぐ近くに二条市場もあるので、観光客の方も是非♪

 

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