続いて、台湾ブースです。
台湾ブースは、お茶関連の企業さんが多数出展していました。
日本に代理店を有している常連の企業さんの出展に加え、自治体のブースに出展しているところも目立ちました。
見落としているところもありそうですが、とりあえず、確認できたブースをご紹介します。
新北市政府
台北市の周りをぐるっと取り囲むようにある新北市。旧・台北縣です。
文山包種茶の主産地・坪林区(旧・坪林郷)を抱えることもあって、新北市農会(農協)のブースでは、文山包種茶と東方美人茶の試飲を行っていました。
となりの東成茶葉企業有限公司さんは、坪林の老舗茶荘さんとのこと。
その隣には、台湾の緑茶産地である三峡区の食品メーカー・金三峡食品有限公司さんが、地元名産の碧螺春入りケーキを持参していました。
文山包種茶から東方美人、碧螺春と幅広いラインナップを揃える新北市でした。
嘉義縣政府・高雄市政府
高山烏龍茶の大産地・阿里山を抱える嘉義縣政府のブースにも2軒のお茶屋さんが出展していました。
こちらの萬檟国際生物科技有限公司さんでは、有機栽培の阿里山茶を試飲に出していました。
また、もう1軒の天然荘企業社さんも含め、今回は有機などナチュラル志向の企業さんが出てきていたようです。
高雄市政府のブースの中にも、お茶の出展者さんが出ていました。
高雄市那瑪夏区産銷班第1班さんです。
「高雄でお茶?イメージ無いけどな・・・」と思っていたのですが、嘉義縣との県境付近にある那瑪夏地区というところで、お茶を作っているそうです。原住民の方が主に住む村だとか。
広い意味では阿里山の一部・・・のようなイメージですが、道路が阿里山方面からは繋がっておらず、高雄から繋がるだけ。
しかも、その道は横貫公路のようにどこかへ抜けられる道ではなく、ここへ行くしかない道だそうです。
ある意味、秘境的な場所にあるので、家の庭でも蛍が飛ぶような、そんな環境の良いところだそうです。
試飲させていただいたお茶も、かなり力強いお茶でした。
独立ブース
お茶関連の企業さんが一角にズラッと並んでいるところがありました。
順にご紹介しますと、
大東茶業有限公司さん。
ホットと水出しアイスティーの試飲を提供していました。
工場は苗栗にあるそうで、東方美人はなかなか。東茶苑ブランドで展開していて、日本にも販売店があるとか。
常連の久順名茶さんも出展。スーパーなど量販店向けの卸に力を入れていました。
ティーサーバーや水筒のメーカーとして知られる飄逸實業有限公司さん。
その隣には、沙坑股份有限公司さんが出展。
台北のお店は閉めてしまいましたが、恵美寿名茶さんです。
このお隣には常連の明山茶業有限公司さんが。
新宿で長らく卸として営業されているので、こちらもご存じの方の多いところです。
品香茶業股份有限公司さん。
こちらはパッケージにかなり力を入れている業者さんでした。
かわいらしいイラストが印象的。
今年の台湾ブースは全般的にパッケージに凝ったブースが多かったな、という印象で、その象徴的なブースだったかもしれません。
その隣には、宏益製茶廠国際有限公司さん。
「大観」というブランドで展開されているそうです。こちらも缶はこだわっている感じ
日本の代理店さんが試飲を積極的にお勧めされていました。
角コマには華剛茶業有限公司さん。
台中の豊原が本社で、梨山烏龍茶をメイン商材にしています。
工場は標高2500mの華崗地区にあります。
昨年、静岡で開催された世界緑茶コンテストで出品した2種のお茶が、いずれも最高金賞を獲得したことを前面にPRしていました。
9日木曜日には出展者セミナーも開催。
これについては、後編でレポートします。
ブースステージイベント
これまで定番となっていた台湾区製茶工業同業公会による出展者セミナーですが、今年は開催されませんでした。
確かに、来場者と趣旨が噛み合わなくなってきてもいたので、お休みということのようです。
その分、台湾ブース内に設けられたステージイベントなどを活用していました。
ちょうど、会場にいたときに沙坑股份有限公司の許正清さんとアテナ先生のブースイベントが行われており、東方美人を振る舞っていました。
台湾ブースの場合は、やはり単価が少し高めの高級茶になるということもあり、小ロットでも良いパッケージの商品&品質の高い商品のプロモーションが多かったように思います。
大陸の茶業者に比べると、規模が小さくなる分、小回りの利いた展開をできること。さらに、昨今の台湾ブームの追い風を受けているのは、日本市場での強みでしょうか。
とはいえ、やはり日本の古くからの茶の消費者の中には「100g1000円」という、高級茶の目安が厳然として存在しています。
会場でも、国内某茶産地の方が「なんでこんなに高いのか?」と詰め寄る場面もあり、このような茶の相場観をどう崩すのかが一つのキーポイントになりそうです。
続く。
新たな茶の相場観が必要になりそうですね
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