お茶

蒙頂甘露 2017・分前茶

今日は春分の日ということで、春分の前に収穫された今年の新茶。
分前(ぶんぜん)茶を飲んでみました。

蒙頂甘露(もうちょうかんろ)。
四川省にある蒙頂山の緑茶です。
オーガニック・プーアールさんより。

 

世界で初めて茶の栽培が行われた場所

四川省雅安市名山区にある蒙頂山(蒙山)。
日本では知名度イマイチな気がするのですが、お茶を人工的に初めて栽培した場所とされています。
2004年に開かれた第8回国際茶文化研討会で「世界茶文化蒙頂山宣言」というのが出され、世界のお茶の文明の始まりはここであると高らかに宣言されました。
※前漢の時代の紀元前53年に、呉理真が初めて栽培を行った、とされています。

その後、唐代の天宝元年(西暦742年)には献上茶としての歴史が始まり、以来、お茶の名産地として知られています。

気候区分としては亜熱帯になるので、茶摘みは江南の茶産地などに比べると早く、清明節の前を意味する「明前」どころか、春分より前の「分前」のお茶もよく出回ります。

なお、蒙山茶とされる原産地保護地域は、雅安市名山区の全域と蒙山の裏手にあたる雅安市雨城区の一部が、国家標準「蒙山茶」によって指定されています。

 

蒙頂甘露

蒙頂山では、蒙頂石花、蒙山毛峰、蒙山春露(いずれも緑茶)、蒙山黄芽(黄茶)のほか、緑茶を再加工した花茶など、色々なお茶が作られています。
それぞれ製法が異なるほか、原材料である生葉の摘み取り基準にも違いがあります。

蒙頂甘露は、緑茶のラインナップの1つ。
葉は細く締まっていて、産毛がふわふわしたお茶です。

産毛の多いこの手のお茶は、高温で淹れると失敗するケースが多いので、少し温度を下げて80度ぐらいを使うことにします。

まずはほんの少しかぶるぐらいにお湯を入れて、浸潤します。

産毛が多いので、少し白濁した色になります。
産毛の香りである毫香がありますね。

味は分前茶ということもあって、かなり淡い味わいです。
「え、味がしない?」と最初は思ったのですが、一口飲んでから、少し待っていると、グーッと甘みが戻ってきます。
一口飲んだら、一呼吸置いて、味覚が反応するのを待ちたいお茶です。

味わいは淡いながらも、かなり強いお茶のようで、身体に響くような感覚もあります。
蒙頂山のお茶、こういうのが多いですね。

お湯を注ぎ足し、白毫の部分をある程度飲み切ってしまったら、今度は熱湯を追加。
キリッとした味わいの中にも甘みも感じられ、なかなか良いお茶だと思います(^^)

中国緑茶は、どうしても小さな芽を手摘みするので、お値段は高くなりがちです。
が、グラス1杯に使うのは、1gか2g程度(今回は約2g)。
その程度の量で、かなり長い時間楽しめるので、コスパはそんなに悪くないのではないかと。

なにより、フレッシュな新茶を楽しめるのは今だけ。
飲まなきゃ♪ ですね。

 

にほんブログ村 グルメブログ 中国茶・台湾茶へ
にほんブログ村

新茶の季節、早くも到来~

 

『現代中国茶文化考』前のページ

台湾のお茶ガイド(1)文山包種茶次のページ

ピックアップ記事

  1. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(4)お店での買い方編
  2. 中国茶の世界にようこそ2019(2)様々な名茶と買えるところ
  3. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(2)お店選び編(台北版・その1)
  4. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(3)お店選び編(台北版・その2)
  5. 中国茶の世界にようこそ2019(3)簡単なお茶の淹れ方と茶器

関連記事

  1. 陶然茶房

    お茶

    日本全国茶館めぐり-陶然茶房(宮崎県児湯郡木城町)

    宮崎市内から北へ、車で45分ほど。自然豊かな、人口5000人ほどの…

  2. お茶

    茶藝師が国家職業資格に復活した件

    昨年末に中国の国家職業資格から茶藝師が外れた、というニュースが流れまし…

  3. お茶

    盛況でした!第1回 大大阪お茶会

    10日ほど前になりますが、1月21日(日)に大阪・本町の愛日会館(あい…

  4. お茶

    日本全国茶館めぐり-Cha Nova(東京都中央区銀座)

    春水堂などの大手チェーンの進出で、すっかり定着してきた感のある、台湾の…

  5. どりっぷぽっと

    お茶

    日本全国茶荘めぐり-どりっぷぽっと(福岡市早良区)

    地下鉄西新駅と藤崎駅のちょうど中間付近。商店街にある自転車屋さんの…

  6. Teamediaプロジェクト

    セミナー「台湾でお茶を買うノウハウ2019」

    四川省から戻ってきました。あるきちです。初の四川省は、わずか5…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

  1. 陶然茶房

    お茶

    日本全国茶館めぐり-陶然茶房(宮崎県児湯郡木城町)
  2. お茶

    台湾のお茶ガイド(5)東方美人茶
  3. Teamediaプロジェクト

    新茶を飲む「中国緑茶」ご報告&第2弾は「台湾茶」
  4. 中国旅行

    福建烏龍茶の旅2017(12)虎嘯岩から玉女峰、中華武夷茶博園
  5. お茶

    2019年中国茶福袋情報
PAGE TOP