中国旅行

福建烏龍茶の旅2017(10)慧苑坑から水簾洞、大紅袍茶都へ

慧苑坑を歩く

慧苑寺を出て、慧苑坑を歩いて行きます。
これが慧苑岩ですかね。
山というほどでもない感じの高さ。そういうのは「岩」に分類されるみたいです。

慧苑坑はさすがに名高い産地だけあって、茶畑がずっと続いています。

この写真のように雑草伸び放題な”生態茶園”の形態をとっているところも多いです。

日本茶の茶園管理の感覚だと信じられない状態なんでしょうが、生葉に求めるものが違うので。
良い悪いではなく、向き不向きだと思います。

岩山の間を抜け、

小川を渡ったりしていきます。
慧苑坑、結構、長いです。

そんななか、特徴的な山が出てきました。

思いっきり逆光ですが、鷹嘴岩ですね。
こちらは結構な高さがあるので、「岩」ではなく「峰」扱い。
武夷山三十六名峰の1つだそうです。

特徴的な茶園

しばらく歩いていると、岩山の陰に入りました。

ここもビシッと茶畑になっていますが、ちょっと驚いたのが、葉の表面です。

とても天気の良い日中にもかかわらず、水滴がびっしりと。
隣には小川も流れていますし、湿度が高くて、結露しているんでしょうか。

根っこの方を見てみると、苔が生えています。

土の感じも、このへんは少し乾燥が緩やかなように感じます。
かなり特殊な”小気候”だな、と思います。
良く言われるようなミネラル云々よりも、こうした日当たり、水分といったところが、正岩茶が正岩茶たるゆえんなのではないかと。
岩山に囲まれてて、土壌は礫が主体で、しかも小川が流れて・・・という条件が揃わないといけないので、これは他の産地や土地では難しいですね。

大紅袍品種こと奇丹の茶樹もありました。

芽の部分が紫っぽく変わっているのが特徴ですね。

さて、さんざん「岩茶は岩じゃなくて土に生えてる」と言ってきましたが、例外を見つけました。

石垣の間に種がこぼれ落ちたんでしょうか。石垣から生えていましたw
これは非常に稀な例外であることを強調しておきます。

天車架

崖の上に、妙なものがありました。

崖の上に穴が開いていて、昔の家の遺構だとか。
どうやって登ったのか?何故、そんなところに?など、謎が尽きない武夷山ですね・・・

このまま天心永楽禅寺の方に行こうかと思ったのですが、そちら方面の道が良く分からず。。。
大分歩いたこともあり、そちらはまた次回にすることとして、今回は水簾洞に行くことにしました。

というわけで、半分しか回っていませんけど、このルートはお茶好きさんにとっては、楽しいルートだと思います。
もちろん、地元の方に案内してもらえれば、もっと脇道などに入っていくこともでき、より多くの発見があるかもしれません。

が、ポイントさえ知っていれば、遊歩道を歩くだけでも、正岩茶と他のお茶との違いは感じられるのではないかと。
アポ無し、コネ無しでも、そこそこ収穫は得られると思います。
まあ、岩山とお茶しかないので、お茶に関心のない方には、全く面白くないとは思いますが(^^;)

水簾洞

川沿いの低い道から、階段を上って、舗装道路へ出ます。

大紅袍から、2.8kmあったようです。
慧苑寺からは40分ぐらいかかりましたので、トータルで1時間40分ほど。
多少アップダウンもありましたし、あちこち見ながらなので、結構時間がかかりましたね。

ここから水簾洞に上がるのも、結構な傾斜の山登りです。
これはキツい。。。

そんな斜面を利用して、水簾洞にも茶畑がありました。

こちらは慧苑坑と比べると日当たり良好で、土が乾燥しがちになっていたので、これは味や香りにも違いが出るだろうなと思いました。

で、山を登って水簾洞に到着。
確かに、スゴい絶壁です。

でも、水が出ていないので、うーん、面白くはないかも。
山を登る価値があるかというと、ちょっと微妙です。
多分、次は来ないw

天心岩茶村・大紅袍茶都へ

水簾洞への山登りで、結構な体力を消耗したので、今日は切り上げることにします。
今朝は朝が早めでしたし。

水簾洞の停留所まで出て、そこから今日は北入口に出てみることにしました。

北入口は南入口と比べるとかなり簡素な作り。
周りは一面の茶畑になっています。

正岩茶の茶園を見てきた後だと、うーん、あんまり美味しそうに見えないですねw
ここも風景区の中の茶園なのですが、同じ風景区といっても、かなり特殊な地形や気候に育まれるのが正岩茶なんだなぁ、と感じました。

そういう部分にこだわっていくと、岩茶を探すことは本当に大変だと思いました。
有名な先生から買えば、それでOKってものじゃないですからね。良い場所のものは、何しろ量が無いので。
ただのコネクションではなく、確かなお茶の目利きが出来(農家さんと対等ぐらいに話が出来る)、それでいて、かわいがられる存在でないと継続して入手するのは難しいでしょう。

北入口の周りを見渡してみると、駐車場の奥に天心岩茶村がありました。

風景区の中で暮らしていた方が集団移住してきた場所の1つとのこと。
当然ながら茶農家さんだらけで、お店によっては、観光客でも購入することは可能なようです。
私も、「お茶を見ていかないか?」と声をかけられました。

岩茶は昨日買ったので、さすがにもう良いかということで、そこはスルーしました。
いかにも観光客向けのお店では無いので、比較的良心的なのかも、と思います。

「岩茶はいらないけど、正山小種とかなら買っても良いかなー」と思いつつ、歩いていると天心岩茶村の隣の大紅袍茶都に出ました。

こちらは、地方都市の茶城って感じですね。
大都市の茶城は、アメ横センタービル的な小さな区画の店ばかりですが、こちらはお店1つ1つが大きいです。

そんな中で、桐木関に工場を持っていると看板に掲げているお店があり、ちょっと気になりました。
お店から出て来たおばさまが結構好奇心のありそうな方だったので、入ってみました。
※店員さんが、いかにも面倒くさそうにしているお店は基本的に入っても良いことはないので・・・

正山小種を飲ませてもらいます。

3種類ほど飲ませてもらい、程々のグレードのものを購入。
どれも、ほとんど薫香はしませんね。かなり弱くかかっているのかもしれませんが。
ひとことに正山小種といっても、老叢のもの、在来種のもの、葉の大きさなど、色々なバリエーションがあるのですが、一番オーソドックスな感じのを購入しました。

このお店のおばさま、大変面倒見が良い感じでした。
まとめて一袋で良いよ、と言ったんですが、いやいや、小分けにしてやる、その方が便利だ、と。
近隣の包材屋さんにパッケージを配達してもらって、詰め始めましたw

右側の機械で5gを自動で計測し、ザザーッと下の口から出て来ます。
そこに小分けの袋をスタンバイさせておいて、左のシーラーで口を閉じる、という流れ。
これを1斤なので、100個やるわけで。面倒ですよねw
※本音は歩き疲れていたので、早く帰りたかったんですが・・・

こちらのおばさまとは微信も交換して、その後もやり取りしています。
次回は、もう少し時間と体力のあるときに来ようと思いました。
もっと色々持っていそうなのですが、それを引き出す交渉をするには、それなりの体力と気力が必要です。

帰りは市バスに乗って、ホテルの近くまで行き、そこから徒歩。
バス停からホテルまでが結構あり、この日は本当に歩きづめの一日になりました。

 

続く。

 

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