今日は春分の日ということで、春分の前に収穫された今年の新茶。
分前(ぶんぜん)茶を飲んでみました。
蒙頂甘露(もうちょうかんろ)。
四川省にある蒙頂山の緑茶です。
オーガニック・プーアールさんより。
世界で初めて茶の栽培が行われた場所
四川省雅安市名山区にある蒙頂山(蒙山)。
日本では知名度イマイチな気がするのですが、お茶を人工的に初めて栽培した場所とされています。
2004年に開かれた第8回国際茶文化研討会で「世界茶文化蒙頂山宣言」というのが出され、世界のお茶の文明の始まりはここであると高らかに宣言されました。
※前漢の時代の紀元前53年に、呉理真が初めて栽培を行った、とされています。
その後、唐代の天宝元年(西暦742年)には献上茶としての歴史が始まり、以来、お茶の名産地として知られています。
気候区分としては亜熱帯になるので、茶摘みは江南の茶産地などに比べると早く、清明節の前を意味する「明前」どころか、春分より前の「分前」のお茶もよく出回ります。
なお、蒙山茶とされる原産地保護地域は、雅安市名山区の全域と蒙山の裏手にあたる雅安市雨城区の一部が、国家標準「蒙山茶」によって指定されています。
蒙頂甘露
蒙頂山では、蒙頂石花、蒙山毛峰、蒙山春露(いずれも緑茶)、蒙山黄芽(黄茶)のほか、緑茶を再加工した花茶など、色々なお茶が作られています。
それぞれ製法が異なるほか、原材料である生葉の摘み取り基準にも違いがあります。
蒙頂甘露は、緑茶のラインナップの1つ。
葉は細く締まっていて、産毛がふわふわしたお茶です。
産毛の多いこの手のお茶は、高温で淹れると失敗するケースが多いので、少し温度を下げて80度ぐらいを使うことにします。
まずはほんの少しかぶるぐらいにお湯を入れて、浸潤します。
産毛が多いので、少し白濁した色になります。
産毛の香りである毫香がありますね。
味は分前茶ということもあって、かなり淡い味わいです。
「え、味がしない?」と最初は思ったのですが、一口飲んでから、少し待っていると、グーッと甘みが戻ってきます。
一口飲んだら、一呼吸置いて、味覚が反応するのを待ちたいお茶です。
味わいは淡いながらも、かなり強いお茶のようで、身体に響くような感覚もあります。
蒙頂山のお茶、こういうのが多いですね。
お湯を注ぎ足し、白毫の部分をある程度飲み切ってしまったら、今度は熱湯を追加。
キリッとした味わいの中にも甘みも感じられ、なかなか良いお茶だと思います(^^)
中国緑茶は、どうしても小さな芽を手摘みするので、お値段は高くなりがちです。
が、グラス1杯に使うのは、1gか2g程度(今回は約2g)。
その程度の量で、かなり長い時間楽しめるので、コスパはそんなに悪くないのではないかと。
なにより、フレッシュな新茶を楽しめるのは今だけ。
飲まなきゃ♪ ですね。
新茶の季節、早くも到来~
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