中国茶葉博物館・龍井館区
バスの終点で降り、目の前にある石段を登っていきます。
こちらが2015年5月にオープンした、中国茶葉博物館・龍井館区です。
どうやら住所などから判断すると、元々、龍井山園というテーマパーク?になっていたところを改装したもののようです。
現在では、杭州の大きなお茶のイベント会場としても使用されています。
位置的には龍井村の入口と翁家山のちょうど中間ぐらい(この記事の最後に周辺マップを掲載しています)。
約7.7ヘクタールという広い敷地の中に、建物がいくつも点在していて、それらを回っていくイメージです。
お天気の良いときには、森林浴気分で気持ちが良いかも。
が、正直、見どころに欠けるかな、という気がします。
双峰館区の出来が良いだけに、これ必要ですか?的な、後付け感があります。
認知度もイマイチなのか、訪れる人も、ちょっとまばらな感じです。
一応、ここには「世界のお茶」の展示と龍井茶についての展示、それから「茶葉ブランド」の展示(といいつつ、お茶の販売店になっているところも)と、広い敷地を活かした屋外展示(茶葉の品種園ほか)があります。
順にご紹介してみます。
世界のお茶
「世界のお茶」の展示ホールについては、中国から各国へのお茶の伝播や各国の茶の飲まれ方・喫茶風習の紹介が。
あとは、最近できた施設ということで、万里茶路(万里茶道)の紹介も少しありました。
国策である「一帯一路」政策が、ばっちり反映されています。
このへんのテーマを扱っているところを見ると、かなり政治的に配慮しているな、と感じます。
各国のお茶のパッケージの紹介もありました。
イギリスなどは趣のあるパッケージのものが紹介されていて、憧れちゃう感じです。
が、我らが日本の展示は「これ、何とかならんものか」と思いました。
多分、中国側にネタが無かったんでしょうが、なんでしょうか、このやる気の感じられない展示・・・
誰かからもらったお土産を、そのまま展示しているような感じです。
これ、地元の人が見たら、「なんだ、日本はお茶のパッケージに全然こだわってねーな」と言われてしまいそうです。
博物館にコネクションのある方。ぜひカッコいいものを置いていただけるよう、働きかけを!
茶業ブランド展示館
それから、茶業ブランド展示館。
中国では、最近、「リプトンを越えるようなブランドを作らねば!」みたいな流れになっておりまして、企業ブランドを前面に打ち出そうという気運が高まっています。
そうしたブランドを紹介する建物とのこと。中に入ってみました。
中には、色々な会社のお茶のパッケージが陳列されていて、エンドレスで各メーカーのイメージVTRが流れていました。
えーと、これのどこがブランドの強化になるんでしょうか?(^^;)
おそらく、各茶葉会社に、ここの施設を整備するお金を出させるために作ったんでしょうね。
一時期、「ブランド構築のため」と言えば、打ち出の小槌のようにお金が出ていた時期がありましたから。
隣には、ブランドの歴史館みたいのもありましたが、こちらもどうも取って付けた感が強い施設でした。
茶葉会社さんのアンテナショップ的なものも数軒見かけたのですが、盛況になっている感じはなく。
どこも従業員さんは暇そうにしていましたw
「ここ、商売大丈夫なのかなー」というのが正直な感想です。
西湖龍井茶テーマ展
さすがに、龍井茶の地元だけあって、龍井茶の展示は大きくはありませんが、しっかりしていました。
製法や産地の分布などの資料はきちんと揃っていたので、これを目的に来るなら悪くないと思います。
どうやら製茶体験などの講座もやったりしているようです。
この方向性なら、ここの価値はあるかもしれませんね。
茶樹品種園は・・・
あと、パンフレットを見た中で、個人的に期待していたのが茶樹品種園でした。
色々な品種を見られるのであれば、楽しそうだな、と。
が、
んー、まだ育成できてませんって感じですね。
不自然に空いている区画もあり、根付かなくてダメになった品種もあったようです。
「10年後にまた会おう!(この施設があったらね)」という感想です。
あと、入口のところに、ちょっとおしゃれなレストランがありました。
これは、お茶を飲んだり、食事をするのに使えるかしら?と思って、試しに入ってメニューを見せてもらいましたが、日本料理のお店でした。
ちょっと日本人の私たちには、用は無さそうですね(^^;)
まあ、このような施設でしたので、翁家山に用事があるとか、龍井村で時間が余ったときに来る感じでしょうね。
忙しい観光客が、わざわざ目指して行くほどのことはないと思います。
中国茶葉博物館・龍井館区(中国茶叶博物馆・龙井馆区)
住所:西湖区翁家山268号
翁家山
せっかくなので、西湖龍井茶の名産地とされる翁家山も見に行きました。
龍井館区から少し山を登りますが、歩いて10分弱です。
バス通りに面して、お茶屋さんがひしめき合っています。
こちらも呼び込みの方が沢山出ていて、バスが到着するたびに、一斉に声をかけに行きます。
以前来た時よりも、激しくなっていますねw
翁家山は西湖龍井茶の一級保護区になっています。
標高が周りの産地よりは少し高い分、品質が良いのだ、というのが売り文句です。
茶園は、バス通りよりも、さらに上の方にあるようです。
登録されている面積は650畝とのこと。
双霊村が800畝でしたから、それよりも少ない面積です。
これで需要を全て賄えるはずはないわけで、まあ何が行われているかは・・・
以前、お邪魔した茶農家さんが見つかれば買っていこうかと思っていたのですが、どうも街の雰囲気が変わっていて、見つからず。
地名通り、このへんの人は名字がだいたい「翁」さんなので、聞いても分からないなと思い、ここでお茶を買うのはやめました。
来た道を戻って、龍井村へ行くことにします。
龍井村周辺の地図(やや広域版)
OpenStreetMapの地図を使って、龍井村周辺&翁家山の位置関係を表わすマップを作ってみましたので、ご参考まで。
今回の旅行記と合わせて読んでいただければ、龍井村の大体のイメージが掴めると思います。
中国茶葉博物館の本館(双峰館区)は、地図の上の方に直線距離で約1.5kmほど行ったところです。
続く。
次は龍井村へ
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