中国旅行

福建烏龍茶の旅2017(8)大紅袍母樹

品種が色々

大紅袍に行く手前は、品種園となっていて、様々な品種が植えられています。
2009年にできた石碑がありました。

武夷山市茶葉研究所が関わっているということで、武夷星さんの看板も立っています。

右の方に「摘むな!摘むな!摘むな!重要なことなので3回言いました!」と書いてあります。
中国も一緒ですねw

道が二手に分かれてますが・・・

少し歩いて行くと、分かれ道の看板が。

右も左も大紅袍に行けると書いてあります。
左はよく見かける品種園の看板があるので、先に右に行ってみましょう。

少し山道な感じなので、だいたいの人はこちらに行きかけて、このへんで引き返します。

が、非常に茶園っぽいので、こちらの方を少し進んでみました。

岩山と岩山の間にある、日の射さない谷。
こういうところに、ミシッとお茶が植えられています。
茶洞でも見ましたけれど、とにかく日陰な感じのところにお茶を植える、というのが徹底されてます。

険しめの階段が見えてきたので、ここで引き返しました。
後で反対側に行ってみたら、滑りやすい坂のようで、通行止めになっていました。
引き返して正解です。

九龍茗叢園

再び分かれ道のところに戻ってきました。

九龍茗叢園というオブジェが立っています。
ここには、色々な品種が植えられています。看板だけざざっと見ていくと、

老君眉。名欉の1つです。
このお茶も品種の名前なんです。武夷岩茶は、基本、品種の名前ですね。
で、その品種が、地元の生産者も分からないぐらいあるというので、奥が深い。こちらは白芽奇蘭。
福建の南の方の品種ですが、武夷山にも導入されています。

佛手。
大葉種と書かれているように、大きな葉っぱです。

北斗。
品質の良いお茶が出来る品種で、民間では「これこそが大紅袍」という説も根強かった品種です。
が、2009年にDNA鑑定が行われ、北斗は大紅袍母樹とは遺伝的に遠く、関係の無いお茶であることが証明されました。

半天妖。半天腰、半天夭とも。
武夷の五大名叢の1つです。

黄観音。
鉄観音と黄金桂をかけあわせて作った新品種です。

鳳凰単叢。鳳凰水仙とも。
広東省の鳳凰単叢を武夷山に移植したものです。
単叢のフルーティーさと岩茶のどっしり感が共存する面白いお茶になります。

・・・と、武夷山は自前の品種はもちろんのこと、色々な烏龍茶向きの個性ある品種を積極的に導入しているのも特徴ですね。
台湾などと比べると、品種開発・導入に積極的な産地だと思います。
非常に品種のバリエーションが幅広いので、同じような作り方のお茶に見えても、それぞれの香りや味の個性が楽しめるわけです。
まあ、効能が違うとかは言いすぎだと思いますけれど。

九龍澗

茗叢園のあるあたりは、このような感じの遊歩道になっています。

岩山と岩山の間の谷を進んでいく感じです。
茶樹は岩山の陰になって、太陽の光を直接浴びる時間は最小限になり、その分、渋みなどの成分が生成されずにすみます。
こういう立地で作られるのが、いわゆる正岩茶なわけです。

進んでいくと、この谷の底を流れるようにして、小川が流れています。
隆起した土地が、この川で削られて谷になったのかしらと思います。
ブラタモリだったら、間違いなくここで地形図とCGが登場することでしょうw

このへんは九龍澗と呼ばれているようです。
「澗(かん)」というは、「さんずい」に「間」という字を書きます。日本語でも使われている文字です。
「谷」ぐらいの意味らしいです。
正岩茶の産地として知られる「三坑両澗」って言葉で、岩茶的には頻出語ですね。

もう1つの意味としては、数字の単位ですね。
一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、(じょ)、穣、溝、、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数。
・・・と書いては見たものの、どのくらいの単位か全然ピンときませんけどw

遊歩道を歩いていると、一本だけ、ちょっと高い木がありました。

不見天です。
原木のあったところは、陽が当たらないので、天を見ることがない、ということで不見天だそうです。

古い木ということと湿度が高いせいか、すっかり苔むしています。

大紅袍母樹の周り

ズンズン歩いて行くと、ゲートが見えてきました。

この先が大紅袍母樹のあるところです。

奥の方に人が集まっているところがあります。
おそらく、あの上ですね。

その反対側の斜面にも茶畑があります。

「大紅袍母樹の目の前の茶園」とかで高く売れたりするのかしら、と思います。
さらに、大紅袍の目の前にある茶店が。

母樹茶寮という名前ですが、ここの運営権が確かとんでもない価格で取引されていたような・・・ 中国茶情報局
お茶の値段や茶水費は見ませんでしたけど、結構良いお値段すると思います。
でも、本当に大紅袍を目指してきた方なら、涙を流して喜びそうな立地だと思います。
そういう人には価値があります。

隣にはもう少し庶民的に楽しめそうな売店が。

ボトル入りのお茶が1本10元、大紅袍を使った茶葉蛋が1個4元とお手ごろです。
とりあえず、お茶買いました。

ほんのり温かくて、ここで詰めているのではないかと。

肝心のお味ですが、クリアな味でなかなか美味しいと思います。
これで10元だったら、全然高くないと思います。オススメです。

大紅袍母樹

さんざん引っ張りましたが、こちらが大紅袍母樹です。

上の写真はよく見かけるアングルです。
左側にある大紅袍の文字を大きくとらえて、石垣全体を入れ込もうとすると、こういう写真になります。

が、これは大紅袍母樹全体を写していません。
正しくは、こちらが大紅袍母樹です。

違いとしては、石垣の右の方、少し低いところにある木。
これも大紅袍母樹を構成する木なんですね。
なので、ここまで写さないと、実は正確ではありません。

大紅袍母樹は何本か?

大紅袍母樹は何本あるか、というのは今まで「諸説ある」と言われてきたものでした。
「そこに現物があるのに、諸説あるって何だよ」と、冷静に考えると実におかしな話だったのですが・・・

具体的には、3本説、4本説などがありましたが、現在の公式見解は、

こちらにある通り、6本ということになっています。

さらに言えば、品種としては2つの品種がそれぞれ2本ずつ。
それと品種化されていない(あまり品種としては優秀と見做されなかった)2本の木から構成されています。

大紅袍母樹から出来たお茶は、実はこれらの異なる品種の木から構成されていたものなのです。
要するに、大紅袍は本質的にブレンドティーだったということです。
※ゆえに、市中に出回る大紅袍の多くは複数の品種をブレンドして、「大紅袍」という商品の基準をクリアしたものです。もちろん、2012年に福建省の省級品種に認定された大紅袍品種を挿し木して増やしたもののみを使ったお茶(純種大紅袍)も出回っているのですが、生産量と販売量の差を考えると、ブレンドものがかなり多いと言えます。

なお、いわゆる「純種大紅袍」と呼ばれる、品種としての大紅袍は、この6本の中の2本を占めています。
それが、どの木とどの木なのか?を調べてから行くと、より興味深く見られると思います。

流行語大賞記念?に、”インスタ映え”しそうなアングルで、お茶を撮ってみました。

・・・え、ちょっと違いますか(^^;)
※私、インスタは向いてなさそう・・・

 

続く。

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次は正岩茶の産地を歩きます

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コメント

  • コメント (2)

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    • 龍心
    • 2017年 12月 10日

    武夷山行、拝見させていただきました。精緻なご報告で勉強になります。物価はかなり上がっているかなというのがまずは印象に残りました。福建省は厦門に何度か出かけた(仕事)くらいで、山にはいったことがないので非常に興味を抱きました。御当地、武夷山は閩北方言が聞けるところだと思いますが、今はほとんど普通話が卓越しているのでしょうね。岩茶について、再度今回のご報告を閲覧しようと思います。ありがとうございます。

      • arukichi
      • 2017年 12月 11日

      龍心さんへ
      コメント、ありがとうございます。無駄に写真が多いのですが、雰囲気が少しでも伝わればと思います。
      物価は風景区の値段がほとんどなので、少し街中とは違うかもしれません。
      閩北語は年輩の方同士で話している場面などに出くわさなかったからか、あまり意識する機会は無かったですね。
      高速鉄道のおかげで、福州などからもアクセスしやすくなっていますので、是非行ってみて下さいませ(^^)

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