茶文化テーマホテル-西康大酒店
蒙頂山での観光を終えて、雅安市内の雨城区へ。
雅安での宿泊先は、西康大酒店でした。
立地的に少し中心からは外れますし、2004年の開業なので、あまり新しいホテルでも無いですし、星も3つです。
しかし、こちらへの宿泊は、今回の旅行でこだわったところの1つでもあります。
というのは、こちらは雅安茶廠の経営でして、中国初の茶文化テーマホテル(茶文化主題酒店)だからです。
なるほど、ロビーなどにもお茶の雰囲気が確かに。
部屋に行ってみると、このホテルが明らかに普通ではないことが分かります。
ベッドの上の壁面、これ蔵茶(金尖茶)ですね・・・
枕も、このホテルが独自に作った蔵茶入りの枕です。
しかも、このレリーフも、蔵茶(雅細)ですね・・・
さらに、部屋の中には無造作に蔵茶がドーンと置かれていたり。
昔の人は、この状態の蔵茶を担いで、チベットまで持って行ったらしいですよ。
カーテンの裏側にも蔵茶がこんなに積まれていました。
あとで支配人にお聞きしたところによると、なんでも清華大学と共同研究をしていて、部屋の中に一定量以上のお茶があると、精神が落ち着くという研究があるそうです。
なるほど、お茶好きがお茶を積む(注:「飲みきれない量のお茶を沢山抱える」の意)のは、精神の安定のためなんですね。
清華大学が言っているのなら、それは仕方がない・・・
たしかに部屋中に蔵茶の香りが満ちていて、なんか落ち着きます。ここに宿泊した2泊は大変良く眠れました。
部屋に入ると、ウェルカムティーを持ってきてくれたのですが、これもしっかり蔵茶でした。
茶韻全席
この日の食事は、このホテルの売りの一つであるこちら。
「茶韻全席」というお茶のコースです。
ホテルのレストランも、壁面にはお茶が。
この箸入れは、チベットっぽい感じです。
お料理はこんな感じ。
どの料理にもお茶が使われています。
地元の食材とお茶を取り合わせていて、どれもおいしくいただきました。
2004年の国際茶文化研討会で使用した茶室
今回は、かなり特殊なコネでお邪魔したからか、2日目の夜には支配人から茶室に招待されました。
窓からは、雅安の街が見えます。
提供されるお茶はもちろん蔵茶。
飲み終えると、すぐに注がれるという”わんこ蔵茶”状態になるのですが、いくらでも飲めてしまうのが蔵茶の不思議なところ。
雅安での滞在を経た参加者のみなさんは、蔵茶中毒?になる人もいるとかいないとか・・・
そのくらい、身体にやさしいお茶なんだろうと思います。
今回は、特別にと言うことで、2004年の国際茶文化研討会で使用した茶室を見せていただきました。
四方の壁がビッシリと蔵茶に覆われていまして、ここで重要な会議をしたとか。西康大酒店が、中国初の茶文化テーマホテルと言われるのは、この会議の時にオープンしたからのようです。
支配人は、当時の中国で進んでいた西部大開発の一環で、中国の東部(たしか安徽省)からやってきて、異業種からここの支配人になり、色々な工夫をしてこのホテルを作り上げたそうです。
非常に忙しそうでしたが、テキパキと指示をする、まさに仕事の出来る女性ですね。
中国ではこういう女性が沢山活躍しています。
このホテルはその出自や部屋数の少なさからして、一般に広く開放というわけでもないようです。
機会があれば、お茶好きさんなら泊まってみたいホテルだと思います。
続く。
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