お茶

日本全国茶館めぐり-茶房かのん(兵庫県川西市)

兵庫県川西市の飛び地(周囲は宝塚市)に、ちょっとユニークな場所にある岩茶専門店があります。
2016年3月にオープンした、茶房かのんさんです。

お寺の中にある岩茶専門店

上の写真を見て、「ん、なんか普通のお店と違うな?」と思った方も、いらっしゃるかもしれません。

そう、実はこのお店、お寺の中にあり、お寺の本坊を利用したお店なんです。

そのお寺というのが、こちらの満願寺

清和源氏ゆかりの祈願所ということで、由緒正しいお寺です。
本当にこんなところに、中国茶のお店があるんだろうか・・・と思いますが、行ってみましょう。

階段を上がると少し珍しい形の山門が。
明治時代に洋風を取り入れたものなのだとか。ちょっと中国のお寺っぽい感じでもあります。
両側には金剛力士像があり、鎌倉時代末期のものだとか。

ここをくぐると、下り坂の参道が。
緑があふれ、非常に気持ちの良いところです。
これだけで、かなり気分転換になりますね。

目指す本坊はこの先の右手にあるのですが、お寺に来てお参りしないのもどうかと思いますので・・・
まずは真っ直ぐ行って、金堂でお参りしました。

で、本坊へ戻ってきました。

本当にこの中にあるのかしら?と思って、入っていくと真正面の建物が、まさに茶房かのんさんでした。
冒頭の写真のように看板が出ていますので、こちらでインターホンを押して、ごめんくださーい、と入っていきます。

本格的な岩茶が飲める店

出てきたお店の方に、「お茶飲めますか?」と聞きます。

「うちは中国茶ですけど良いですか?」と。

おそらく、お寺でお茶の店となると日本茶、それも抹茶のイメージが強いんでしょうね(^^;)

もちろん岩茶を飲みに来たので、ということで中に案内されます。
お寺の建物だけあって、天井が高く、気持ちが良いです。

そして、庭園を見ながらお茶を飲めるというのは非常に素晴らしいですね(^^)

こちらのメニューは、基本的に岩茶オンリーです。
劉宝順さんの岩茶を使用しているとのことで、この名前を聞いて、ピピンと来る人は多いかもしれません。

メニューは比較的絞り込まれていますが、四大名叢は揃っているほか、それ以外の著名な岩茶もあります。

劉宝順さんのものということは、非常に真っ当かつ正統な岩茶なので、お値段はそれなりにします。
知らない人が入るとビックリするかもしれませんが、フェアプライスだと思います。
もっとも、ちょっとしたお茶請け付きの値段で、差し湯も自由にできるスタイルなので、ゆっくり過ごすことを考えれば、納得の価格かもしれません。
※メニューの後ろの方にはもっとお手ごろなのもあります。高いものだけではないので、ご安心を。

お店の方はフレンドリーで相談しやすい感じなので、何にするか迷ったら、気軽に聞いてみると良いかも、と思います。

この日は風は爽やかながら、結構な日射しでした。
あんまり暑苦しいお茶でもなー、ということで、岩茶の中ではクリアな水金亀を注文してみました。

1煎目は、お店の方が淹れてきてくれます。
保温ポットが備え付けられて、差し湯も自由にできるので、マイペースに楽しめますね。

手前にあるお茶菓子は、お茶にセットでついてくるものです。
クッキーにサンザシ、グリーンレーズン。

奥に見えるのは追加で注文した、かぼちゃプリンです。

手作りで自然な甘さが特徴のプリンでした。お茶に合いますね(^^)

お茶はさすがに正統な岩茶なので、余韻もしっかりしていて、美味しいお茶だと思います。
じっくり腰を落ち着けて味わえるだけの力があるな、と思います。

 

繋がりを生み出す場に

お茶を飲んでいると、ちょうど住職さんがお店の方に出て来られ、いろいろとお話を伺うことができました。

お寺をもっともっと人と人の縁を繋げる場にしていきたいということだそうで、このお店もその取り組みの一環だそうです。

このほか、北摂地域で力を入れている里山を復元する活動に取り組んでみたり、土日限定で有名なそば職人さんを招いたそば店を開いてみたり、様々なイベントを行ったり。

このお店も、元々はあまり使っていない建物だったのを、きれいに整えて、お店にしたのだとか。
お店を使ったイベントなどもいろいろ行われているようです。

住職さんは、大手企業に勤務されていた経験もある方なので、非常に面白い発想が出てくるようです。

 

緑豊かな場所にあるお店ですが、梅田から最寄り駅の雲雀丘花屋敷までは約30分。
そこから30分に1本のバスに乗って10分弱で到着するので、アクセスはなかなか良好です。
予約をしていくと食事メニューもあるそうなので、ちょっとした遠足気分で行かれると良いと思います。

 

茶房かのん
住所:兵庫県川西市満願寺町7-1 満願寺 本坊内
電話:072-767-1333
営業:10:00~16:00
定休:日・月・火
Facebookページ

中国茶情報局の紹介ページ

日本全国茶館・茶荘・教室めぐり一覧

にほんブログ村 グルメブログ 中国茶・台湾茶へ
にほんブログ村

「標準」を読む、第2回好評開催中前のページ

日本全国茶館めぐり-茶ら咲(大阪府豊中市)次のページ

ピックアップ記事

  1. 『マツコの知らない世界』中国茶の世界 を中国茶好きが全力でまとめ、補足してみた
  2. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(2)お店選び編(台北版・その1)
  3. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(3)お店選び編(台北版・その2)
  4. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(5)帰国後のあれこれ編
  5. 中国茶の世界にようこそ2019(2)様々な名茶と買えるところ

関連記事

  1. Teamediaプロジェクト

    新茶を飲む「大陸烏龍茶」ご報告&第4弾は「中国紅茶」

    いろいろ年末進行中のあるきちです。中国から戻りまして、先日よりワー…

  2. Teamediaプロジェクト

    セミナー「標準」を読む。第1回、開催しました

    先日、こちらのブログでもご案内したセミナー「標準を読む」の第1回を実施…

  3. Teamediaプロジェクト

    「標準」を読む。第2回の日程&平日・京都開催

    本日は清明節でした。お茶好きのみなさん的には、新茶シーズンのスタート…

  4. Teamediaプロジェクト

    中国茶情報局、大リニューアル!

    「中国から帰国したはずなのに、いっこうに旅行記がアップされない・・・」…

  5. お茶

    日本全国茶館めぐり-揚州名菜 秦淮春(東京都中央区銀座)

    中国料理店で出てくるお茶というと、たとえ高級店に行ったとしても、サービ…

  6. Teamediaプロジェクト

    新企画「新茶を飲む」始めます

    先週、中国から帰国しました。帰国後も相変わらずバタバタしております…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

  1. お茶

    日本全国茶館めぐり-時光舎(大阪府池田市)
  2. 雑記

    本年もどうぞよろしくお願いいたします
  3. 中国旅行

    春の四川省茶旅2019(10)雅安茶廠
  4. お茶

    台湾でお茶を買うノウハウ2018(5)帰国後のあれこれ編
  5. 中国旅行

    福建烏龍茶の旅2017(13)厦門・天成茶葉市場へ
PAGE TOP