お茶屋さんを出た頃にはお昼も回っていました。
ちょっと時間をずらして、郊外の茶館に食事を食べに行きます。
春水堂・朝富店
バスに乗り、やって来たのはこちら。
春水堂の朝富店です。
こちら、春水堂の本部があるところなので、事実上の本店だと思います。
かなり大箱の店なのですが、お昼過ぎなのに少し待たされるぐらいに混雑していました。
こちらのシステムは少々変わっていて、まず人数を伝えて、席に案内してもらいます。
そこで注文票に記入し、それを1階にあるレジに持って行って、精算。
出来上がり次第、席にお料理やお茶が運ばれてくるというシステムです。
私、2階席に通されたので、ちょっと1階に行くのが面倒だな、と思いました。
何人かで来ると良いんでしょうけど(^^;)
ランチメニューのセットを注文しました。お茶付きで270元。
お料理は三杯鶏です。
茶藝館で出てくるお料理としては、コスパの面でも、かなり高評価をあげられると思います。
ご飯もたっぷりで、かなり満腹になりました。
多くの茶藝館は、キッチンが貧弱なので、レトルト食品だったりレンジで温めるだけ、なんてお店も多いんですけど。
春水堂はこのへんはきっちりしていると思います。
だから繁盛しているし、お客さんも支持するのだと思います。
お茶は、アイス鉄観音茶。
もれなく甘いのですが、それでも鉄観音の香りはしっかりと出ていて、さすがだな、と思いました。
多分、ここのお店に来ていただくと、日本人が持っている「茶藝館」とか「春水堂」のイメージは、だいぶ変わると思います。
日本の方は、春水堂といえばタピオカミルクティーを出している喫茶店、カフェぐらいのイメージだと思うのですが・・・
春水堂、台湾では「お茶をテーマにしたレストラン」なんですよね。
1杯数十元の喫茶だけでは、とても店を維持するだけの売上をカバーできないのですが、このようなスタイルなので採算が取れているわけです。
台湾の茶藝館、日本のマスコミなどが紹介するときは「喫茶店」という感覚で見せますが、実態のイメージとしては「居酒屋」とか「ファミレス」の方が近いのかな、と思います。
九份茶坊のような観光地にあるところを除けば、台湾で上手く行っている茶藝館は、大体このパターンなんですよね。
あとは茶人のお店で教室もやっているとか、木柵の茶農家がやっている農家茶藝館とか。
いずれにしても、喫茶一本で何とかなっているお店は、台湾でもほとんど無いのではないかと思います。
屋台に行けば100元もあれば美味しくてお腹がいっぱいになるような、台湾の外食産業。
競争が熾烈なので、のんびりした茶藝館は淘汰されちゃいます(このあと行く耕読園は典型例)。
純粋な茶藝館としては、たくさん展開している「春水堂」ではなく、グループの「秋山堂」(春と秋・水と山で、名前が対になっています)の方がイメージに近いと思います。
タピオカミルクティーを気軽に飲むという部分では、グループのドリンクスタンド「茶湯會」の方がイメージに近いかな、と。
ここのお店は、かなり郊外にあり、交通の便が良いとは言えません。
タピオカミルクティーを飲むだけなら、市内の精明一街にある大墩店とか、四維街の創始店の方が、不便ではなくてオススメです。
もっとも、お食事を取ってみたい方、春水堂の本店を見たいという方なら、こちらのお店で良いと思いますけれども。
春水堂・朝富店(総店)
住所:台中市西屯区朝馬三街12号
営業:8:30~23:00
耕読園 市政店
春水堂を後にし、徒歩で20分ほど。
今度は、こちらの茶藝館にやって来ました。
耕読園 市政店です。
耕読園は、蘇州形式の庭園を模した、池のある大型茶藝館。かつての茶藝館ブームの火付け役でした。
以前は、台湾の各都市に直営とフランチャイズ方式で、ピーク時は十数店舗を展開。
台北にもお店がありましたし、日本アジア航空(知っている人の方が少なくなったかも・・・)のテレビCMの舞台になったこともありました。
おそらく2005年か2006年頃がピークだったと思うのですが、その後、過大な投資なども祟って、業績が悪化。
閉店やフランチャイズからの離脱も相次ぎ、結局、本体とグループの会社は2009年には事業を停止。翌年破産しています。
しかし残ったお店は、名前を変えるなどして、以後も運営を続けているところもあります(高雄の懐茶館、台中の耕心園など)。
現在、耕読園としては、台中のこちらの店舗と台南の永華店の2店舗のみを直営で運営。
あとは緑飄香というドリンクスタンドが桃園と斗六に1店舗ずつ。なぜか携帯電話屋も1件やっているそうですw
※2014年から台南で小型の茶藝館である新業態「日耕堂」というお店もやっていたようですが、こちらも2016年4月末に閉店しました。
うーん、台湾でも茶藝館の経営はムズカシイね・・・という、実例を背負ったお店と言えるかもしれません。
お店を入ると、池を取り囲むように建物が建っていて、なかなか風流な感じです。
テーブル席もありますが、通されたのは畳の小上がりのような席。
反対側の席の写真ですが、こんな感じです。
まるで、個室居酒屋のような雰囲気。
ますます「茶藝館は居酒屋説」を声高に唱えたくなりますw
メニューはこんな感じ。
こちらは最低消費が150元で、茶水費も150元。
なので、茶葉持ち込みが圧倒的にオトクだと思います。
だからなのか、お客さんがひっきりなしに訪れていました。
お食事メニューももちろん充実しておりました。
茶葉持ち込めば良かったな・・・と思いつつも、いやいや、お店のお茶のレベルを確認しないといけません(←ヒトバシラー)。
ということで、ちょっと高いなと思いながらも、精焙阿里山(半生熟茶)の一両缶550元ナリを注文しました。
これに茶水費100元(店の茶葉注文で50元引き)が加わりますので、まあ、かなり良いお値段しますね(^^;)
数人で1つのお茶をシェアするのであれば、悪くないと思いますけど(一壺飲み切りタイプも280元でありますが)。
で、お茶はこんな感じです。
かなり大粒の茶葉で、火入れは思ったほどゴリゴリしていません。
あ、これは悪く無さそうですね。
淹れてみました。
やはり火の加減が強すぎなくて、きちんとお茶の味を引き出しているので、なかなかのお茶だと思います。
まあ、この値段を出したらそうだよね、とも思いますがw
こちらのお店はWi-fiが完備されていたり、煮水器のお湯もスタッフの方がこまめに補充に回ってきてくれたりするので、かなりまったりと過ごせそうです。
かなりローカル色の強いお店ですが、営業時間も長く、食事も色々あるので、茶葉を持ち込んで長居をするのには良いと思います。
郊外にあるので、交通の便が今ひとつですが、タクシーを呼んでくれるサービスもしているようなので、そのへんを上手く活用すれば良いかもですね。
耕讀園 市政店
住所:台中市市政路109号(惠中路口)
営業:9:00~24:00
http://耕讀園.tw
台北にて
台中の郊外茶館めぐりも終了したので、ホテルに戻って荷物をピックアップし、台北へバスで向かいました。
台北では適当に夜市でお食事を。
冷静に見返してみたら、これ、食べ過ぎでしたね(^^;)
続く。
茶藝館は甘い商売ではないですね~
あるきちさん、こんばんは!
楽天からいつも楽しく拝見させていただいております。
台湾に行きだしたころ、12.3年前の茶芸館といえば、この耕読園のイメージでした。
経営で、そんなことがあったのはしらず衝撃でした!!
どうりで、最近、茶芸館と調べてみても出てこなかったのですね。
このお店はずっと憧れの一つなのでずっと頑張ってほしいです!!
みんさんへ
こちらでもどうぞよろしくお願いします(^^)
そうなんです、一時期は茶藝館といえば耕読園だったと思うのですが、急にお店が無くなったんですよね。良いお店なんですが、投資がかかり過ぎて大変だったようです。
台湾の方は食べ物のコスパにはシビアなので、やっぱりそこなんだろうなと思います。