展望台からの眺め
お買い物に予想以上の時間がかかり、急いで蒙頂山を上っていきます。
昼食の予約をしていたのですが、1時間半も遅れています・・・(-_-;)
とはいえ、展望台を見かけたので、とりあえず止まってみます。
遠くの方に黄色く見えているのは菜の花で、木々の花も咲き、お茶摘みまでやっている実によいシーズンでした。
展望台のところには露店が出ていて、茶葉を販売しています。
ちょっと覗いて話を聞いてみると、今のところ、新茶があるのは甘露と石花とのこと。
毛峰などは値段が安いので一番茶は使わないらしく、去年のお茶とのことです。
で、甘露なども1つのグレードだけではなくて、袋が分かれていて、いくつかのグレードがあり、お値段も違います。
「何が違うの?」と聞くと、「これは全部機械で、これは半分手作り。これは全部手作り」とのことです。
試飲はできないものの「面白そうだし、ちょっと買おうかなー」(←こういう農家からの直買い大好きな人)と思ったのですが・・・
私が買ってしまうと、みなさんお買い物モードになってしまい、先程の工場と同じ状況になりそうだったので自粛しましたw
展望台の向かい側には、碑が色々ありました。
「茶之源」とか「世界茶源」とか、そういう文字が目立ちます。
蒙頂山は、日本での知名度は今ひとつですが、2004年以降、中国の茶文化の世界では特別な山になっています。
その理由は、2004年の第8回 国際茶文化研討会で発表された「世界茶文化蒙頂山宣言」です。
紀元前53年に呉理真という人物が、野生に生えていたお茶に薬用効果を認め、初めて人工栽培を行った土地が蒙頂山であるとされています。
この史実などをもとに、「人が茶を利用しようと人工栽培をしたこと。これこそ茶文化の始まりであり、ここは世界の茶文化の発祥の地である」としたのが、「世界茶文化蒙頂山宣言」です。
これから行く蒙頂山とは、そういう茶文化の聖地的な山なのです。
※日本での知名度が今ひとつなのは、日本の中国茶の知識はブームがあった2000年前後に出版された本から、ほとんど情報が更新されていないからだと思います。2008年以降にブームになった金駿眉への言及が書籍でほとんど無いのもそのせいです。
ついでに言うと、2004年の茶文化研討会と同時開催されたのが、茶と旅を結びつけた会議(第1回蒙頂山茶文化旅游節)。
中国でも「茶」と「旅」を本格的に結びつけたのはここからです。いわゆる「茶旅」の先鞭をつけたのが蒙頂山です。
そんな場所なので、「茶旅の会」の旅のスタートには、この上もなく最適・・・だったわけです。
農家料理の昼食
中腹にある、ホテルを兼ねたようなレストランで、農家料理を。
普通に食事を頼むと豪勢な料理としてお肉やお魚まみれになるのですが、こちらで指定できるときは敢えての野菜料理中心にしています。
中国の田舎に行くと、お野菜の味が濃くて美味しいですし、珍しいキノコとか、そういうものを食べた方が楽しいので。
※魚もよく勧められるんですが、多くが川魚なので、海に囲まれた魚食いの日本人にはあまり美味しいものではありません。意外と高いし(^^;)
味も好評だったようで何よりでした~。
バスはこちらのレストランに置かせてもらって、ここからは徒歩で風景区の入口に向かいます。
風景区へ
テクテクと山道を登っていきまして、風景区の入口へ。
このあたりにも整備された茶園が沢山ありました。
茶摘みの季節ということで、このような看板も出ていました。
「蒙頂山茶摘み祭り-茶摘み、製茶、茶文化体験の旅」と書いてあります。
3月から5月がシーズンだそうです。
入口のところで、チケットを購入して入場します。
茶摘み祭り中・・・ではあるのですが、3月はオフシーズン扱いのようです。
そのためか、登山道のあちこちで補修工事をしていました。
「仙茶故郷」とあります。
”仙茶”とは、先程出てきた呉理真が植えたと伝えられる7本の茶樹のことです。
それが今もこの山の上に残っている・・・とのことです。
そこまで山を登って見にいくのが今日の目的です。
この遊覧図でみると、結構、山の上の方ですね・・・
天梯古道を歩く
山へ上るルートは3つあり、1つはロープウェイでスーッと途中まで登る方法。もう1つは少し回り道ですが、緩やかな坂道の遊歩道(緩坡游道)を歩く方法。
そして、もう1つは最短コースを階段などで上がっていく天梯古道があります。
見どころ的には、やはり古い道である天梯古道が良いとのことなので、とりあえず、行きはそれで登ってみます。
その入口はこちら。
こちらの大茶壺の横の階段を、すり抜けるようにして登っていきます。
えーと、これは傾斜が急すぎませんか…(^^;)
ここからは階段あり、山道ありな感じで、結構なハードな山登りコースになりました。
ところが、ガイドさんは登っていくのが本当に早い。
聞けば、本職は山岳ガイドなんだそうです。それは鍛え方が違う・・・
四川省には標高の高い山がたくさんあるので、日本の登山家の方なども案内するのだそうです。
かなりしんどい登山なのですが、このルートは見どころが多いというのはその通りのようで。
あちこちに蒙頂山や蒙山茶を賛美した碑が出てきたり。
登山道は茶園の中を突っ切っていたり。
見どころも多かったので、横着せずにこちらを選択してよかったと思いました。
中腹には甘露寺というお寺が。
こちらには2004年の国際茶文化研討会で、蒙頂山を訪れたゲストの名前を刻んだ碑がありました。
この人たちが「世界茶文化蒙頂山宣言」の立会人というわけです。
中国だけでなく世界各国の方の名前が並んでいるのですが、韓国の方、かなり多いですね。
その下には、日本の方のお名前も(すかさずチェック)。
エコ茶会でもお世話になっている有名な先生方のお名前もありました~。
天蓋寺へ
見どころも結構あったことと休み休み歩いたので、50分ほどかかり、天蓋寺の入口までやってきました。
おお、この門はかの有名な・・・ですね。
対聯になっている「揚子江中水 蒙山頂上茶」はとっても有名です。
とはいえ、ここもなかなか急な階段があります。
そこを登っていくと、天蓋寺です。茶神殿という建物があります。
蒙頂山にはいくつかお寺があって、そのなかでも5つのお寺が、お茶に関しての役割を分担していたといいます。
”千佛寺が茶を植え、浄居庵が茶を摘み、智炬寺がお茶を作り、永光寺が茶を供え、天蓋寺が茶を祀る”というものです。
こちらの茶神殿では、呉理真や陸羽などが祀られています。
続く。
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