お茶

台湾でお茶を買うノウハウ2018(5)帰国後のあれこれ編

最後は帰国後のあれこれ編です。
遠足は「家に帰るまでが遠足」ですが、お茶の買い物も「口に入るまでがお買い物」ですので、ここまでサポートしますw

よくある質問に答える形式で進めてみます。

賞味期限が10年前に切れていた!

「台湾土産でお茶(or食べ物)をもらったら、随分前に賞味期限が切れてるやつで・・・」

これ、よく聞く話です。

それ、多分「民国○○年」です。
中華民国の成立した1912年を元年とする、台湾で使われている元号(昭和とか平成とか)のようなものです。

民国と西暦の変換は1911を引けば求められます。
西暦2018年は民国107年となります。

下2桁しか表記しないこともありますので、もし賞味期限08年とか書いてあったら、それはおそらく民国108年、西暦2019年のことです。
パッケージがよっぽど古くない限り、安心してお召し上がり下さい。

ちなみに台湾茶や中国茶では「陳年」とか「老茶」いう概念があり、飲む骨董として珍重する場合もあります。
もし、未開封で賞味期限が切れたものを発見した場合は、カビなど明らかな劣化が無ければ、飲んでみても良いかもしれません。

現地で飲んだ時ほど香りが出ないんですが?

こちらもよくある話です。
水質の問題とか、もっともらしいことを色々言われますが、大体はお湯の温度の問題が多いです。

烏龍茶は基本的には香りを楽しむお茶なのですが、お茶の香りの成分というのは、温度が高くないと上手く出てきません。
ですので、使う器にお湯を入れて温めておき、お湯の温度を極力下げないように工夫すると良いです。

香りを出すなら、とにかく熱く。熱々で淹れる。

これを心がけましょう。
お湯の温度が5度違うだけで、全然違うお茶の味と香りになることもあります。
お茶の香りって、そのくらい繊細なのです。

お湯を移し替えたりと面倒くさそうに見える、茶芸の動作。
あれは、とにかくお湯の温度を下げないためにやっているんですね。

具体的なやり方ですが、急須あるいは蓋碗に半分ぐらいお湯を注ぎ、少し温めてから、お湯を捨てましょう。
テーブルからキッチンにいちいち捨てに行くのは面倒でしょうから、湯こぼし代わりにどんぶりをテーブルの上に置いておき、そこにお湯を捨てます。
これだけで、お湯の熱が器に奪われなくなるので、抽出時のお湯の温度がググッと上がって、香りも引き出せるようになります。

あと最近、盲点だった・・・と気がついたのですが、急須や蓋碗に満杯にお湯を注ぐことですね。
日本茶などでは大きめの急須にして、半分ぐらいの湯量で淹れたりすることもあります。
その感覚で台湾茶、特に烏龍茶を淹れると美味しく入らないことがあります。

茶器の中に、お湯の入っていない空間があればあるほど、お湯の温度は下がってしまいます。
ですので、基本、お湯は茶器に満タン状態で淹れる必要があります。
そうなると、器は小さい方が有利です。
お湯との比率も考えると、茶葉の必要量も少なくて済みますから、経済的です。
中国茶や台湾茶の茶器が小さい理由は、こういうところにもあります。

「それでは一度に出来るお茶の量が少ないではないか・・・」という話になります。
お茶の量については、烏龍茶は煎を重ねることができるので、何煎か淹れることでカバーできるはずです。

台湾茶or中国茶用の急須・蓋碗が無い場合は、小さめのティーポットを探してくると良いと思います。
「そんな都合の良いものは売ってない!」という方は、100均に行って、醤油差しを買ってきて、急須代わりにするのも応急措置としてはいいかもしれません。
取っ手がないので、持つときは何か布で掴むようにしなければいけませんが、お茶の世界は「見立て」ってのがある世界ですから、これもアリです。

身も蓋も無い言い方をすれば、お茶を淹れるという行為は、お湯にお茶の美味しい成分をどう溶かし込むか、ということです。
基本的な理屈(どういう温度や時間で、どういう成分が抽出されるか)さえ分かっていれば、創意工夫でお茶はいくらでも美味しく淹れられます。
道具がないから淹れられない、ということはありません。
たとえば、アツアツに予熱したマグカップに茶葉を入れ、お湯を注ぐだけでも、美味しいお茶は飲めるのです。

機材に投資するなら電気ケトル

台湾茶を淹れるなら、沸かしたての熱いお湯を使うのがとにかくポイントです。
もし機材に投資をするのであれば、まずは電気ケトルです。
台所に置いてある電気給湯ポットではなく、お茶を飲むテーブルの上に電気ケトルを常備し、都度沸かしたお湯を使えば、美味しさは段違いになります。

たくさんの茶器(茶壺・蓋碗)を買うより、1つの電気ケトル。
私が初心者の方に購入をオススメするお茶グッズです。

極論を言うと、2000円ぐらいで売っている特売のケトルでも構いません。
ちょっとプラスチックのにおいが気になるかもしれませんが、低い温度のお湯で淹れるよりは美味しいと思います。

こだわる方には、お湯を狙ったところに注げるよう、注ぎ口が細いものをお薦めします。

【グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞】ラッセルホブス 電気カフェケトル 1.0L

↑こういうやつです。

小さなお子さんがいらっしゃる方は、万が一にも倒れてお湯がこぼれる事故があるといけませんので、魔法瓶型になっている国産メーカーのケトルが良いと思います。

タイガー 魔法瓶 蒸気レス電気ケトル わく子 1リットル グレー PCJ-A101-H Tiger PCJ-A101-H

お子さんの安全が第一ですので。細口のケトルは大きくなってからにしましょう。

お茶が渋い・苦いんですが?

この場合、いくつかの原因が考えられます。
原因を切り分けて、適した方法で調整します。

茶葉が多すぎる

入れる茶葉の量を減らしましょう。
凍頂烏龍茶や高山烏龍茶の場合、一般的には茶葉が完全に開ききった時、茶器の蓋に茶葉が軽くふれるぐらいが適量です。
数煎淹れても、窮屈そうで茶葉が広がりきらない場合は、多すぎと考えられます。

抽出時間が長すぎる

お湯を入れて蒸らす時間が長すぎる可能性があります。
台湾茶の場合、紅茶のゴールデンルールのように3分間蒸らしましょう、とかは長すぎます。
1煎目の茶葉が開くまでは少し時間がかかりますが、数十秒でサッと出しても、十分に香りと味わいが出たりします。
早めに出してみるなどして、適切な時間を探りましょう。
薄ければ、時間を少し長くしたり、茶葉の量を増やしたりして調整します。

お湯の温度が高すぎる

温度が高いほど香りの成分は出やすいのですが、渋みの成分も出やすくなります。
少し温度を下げたお湯を注ぐと、だいぶ違うと思います。
温度の下げ方ですが、手軽なのは「一旦茶海などにお湯を移し、茶海から注ぐ」ことでしょう。

緑茶は甘みを出すためにやや低めの温度が良いほか、東方美人茶も若干温度を下げた方が良いです。
東方美人は烏龍茶ではありますが、小さな芽を多めに使った繊細なお茶なので、茶葉が煮えすぎてしまうんです。
少し低めの温度(85度ぐらい)の方が、甘みを感じるお茶に入ります。

茶器を素焼きの急須に変えてみる

試飲したお店では、素焼きの急須を使っていなかったでしょうか?
素焼きの急須は、急須の表面に細かな穴が開いていて、そこでお茶の雑味や渋みをある程度取り去ってくれる効果があります。
もし、うわぐすりの付いた磁器の蓋碗や急須を使用しているのであれば、素焼きの急須でトライしてみると、変わる可能性があります。

 

他にもいろいろテクニックがあるのですが、より詳しく知りたい方は、日本で中国茶教室に通うと良いでしょう。

お茶の淹れ方というのは、味や香りという味覚、嗅覚の話になってくるので、文字や本、動画だけで説明するのは、難しいのです。
実際に淹れて、飲んでみるというリアルな作業を、教室の先生とリアルにすりあわせていただくと、すぐに解決すると思います。
茶芸とまでは行かなくても、美味しく淹れるワザは色々ありますから、それを学ぶと、ますますお茶を飲むのが楽しくなると思います。

お茶の保存はどうしたらいいですか?

基本的には、密封した状態で、直射日光が当たらず、湿度の高くない場所に置いておけばOKです。

冷蔵庫や冷凍庫での保管は、結露・においの問題から、一般家庭ではあまりオススメできません。
特に、一度封を切ってしまったお茶を冷蔵庫や冷凍庫に入れるのは、風味を落とすだけなので、やらない方が良いです。

封を切ったお茶を保存する際は、中の空気をできるだけ外に逃がし、袋をぺたんこにします。
お茶を劣化させる要因は、空気に含まれている酸素と水分なので、それをできるだけ減らすのです。
その上で、口の部分をしっかりと封をし、外から空気が入り込まないようにして、直射日光を避けたところに保管します。
基本、これだけでOKです。でも、早めに飲み切りましょうね。
特に焙煎をしていない青々としたお茶や緑茶は劣化しやすいので。

大量に入っているパッケージを買ってしまって、一気に飲めそうにない、ということであれば、帰国後すぐに小分けにしてしまうのも手です。
アルミガゼットにエージレスを入れて、クリップシーラーなどで口を閉じてしまえば、割と持ちます。
で、一度開封したら、早めに飲み切るのが吉です。

生産日本社:セイニチ 「ラミジップ」 アルミタイプ 180×120+35 50枚入 AL-12 型式:AL-12(1セット:50枚入)

脱酸素剤 エージレス Z-PKCタイプ 低水分用 小分け品 (Z-50PKC 20個)

テクノインパルス クリップシーラー Z-1

↑ディープなお茶好きさんは、こういうのを家に常備しています。

「なんだか、お茶に興味が湧いてきました」という方へ

 

ようこそ、お茶の世界へ(^^)

 

「台湾に行ってお茶を飲んで、お茶の美味しさに目覚めた」

という方は、ディープなお茶好きさんの中でも結構多いんです。
ある意味、中国茶・台湾茶好きの王道だと思います。
・・・何を隠そう、この私もそうですからw

お茶というのは、ある程度の知識を得て飲むと、より美味しく・楽しく飲めたりするものです。
上記に書いたような淹れ方一つとっても、知っているのと知らないのでは大違いです。
だからこその、このノウハウ集です。

次回の台湾訪問時には、もっともっと現地でお茶を楽しみたい!とお考えの方にオススメしたいことがあります。

それは、

日本でお茶経験を積んでおくこと

です。
そうすれば、次回はもっと現地でお茶を楽しめます。

そのための方法をいくつか。

日本のお茶屋さんでも、お茶を買ってみる

台湾茶だけでもたくさんのお茶がありますが、中国茶まで目を広げると、さらにたくさんの魅力的なお茶があります。
今までは良いものが流通していなかったのですが、最近は日本国内でも、こだわりのお茶を扱っているお店も増えています。
ネットショップも随分発達していますので、お店が近くにない方でも入手はカンタンです。

中には現地でもお目にかかれないような上質なお茶を揃えていることもあり、しかも、ごく少量から販売してもらえます。
専門店の中には、情報が充実しているところもあるので、いろいろと勉強にもなります。
最近は、現地のお茶屋さん顔負けの仕入れをしている日本の業者さんも、何人もいます。
そういう方のお茶は、現地でもあんまり見かけないぐらい品質が高いです。

中国茶教室・台湾茶教室に通ってみる

美味しいお茶の飲み方や知識を教えてもらえるほか、一緒にお茶を飲む仲間ができて、なかなか楽しいです。
また、教室ではいろいろなお茶を飲ませてもらえるのも魅力の一つ。
自分であれこれお茶を買いそろえるよりも、リーズナブルにいろんなお茶を飲むことができると思います。
「買ったのはいいけど、美味しく淹れられるかな」という心配もいらないですし。見聞が広がりますよ。

中国茶・台湾茶のお茶会に行ってみる

最近、中国茶・台湾茶のお茶会というのが、あちこちで開かれています。
お茶会というと堅苦しく感じるかもしれませんが、中国茶・台湾茶の茶会の多くは、難しい作法やドレスコードなどもなく、誰でも気軽に参加できるものが多いです。
いろいろなお茶を試したり、淹れ方を実際に見たりすることができるので、なかなか楽しいのではないかと。

こうしたイベントの多くは、お茶好きの個人の方の主催で、主にブログなどで告知されています。
興味のある方は、中国茶の関連ブログを時々チェックされると良いと思います。

中国茶ブログチェッカー
↑ここやブログ村を見ると、割とメジャーなブログは網羅されています

機会がありましたら、ぜひ、どこかで一緒にお茶を飲みましょう(^^)

 

おしまい。

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気軽に楽しく飲みましょう♪

 

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