中国旅行

九曲紅梅と龍井茶の郷へ(11)龍井村の農家菜・龍井問茶

お昼のピークを過ぎたので、龍井村で農家菜に挑戦したいと思います。

茶農家の軒先レストラン

龍井村、あちこちに茶館や茶楼といったお茶を飲ませるお店があります。
それ以外にも、茶農家が軒先でお茶を飲ませたり、食事を食べさせたり、ということをしています。

農家の軒先でお茶を飲ませてもらおうとすると、大体、1杯10元とか20元の値付け設定をしていて、「買ってくれたら試飲扱いで無料にするよ」みたいなシステムが多いです。
まあ、この値段なので、最高級のお茶というよりは、普段飲みに丁度良いかな程度のお茶のことが多いですが。

老龍井から龍井村のバス停までの間にも、軒先にビーチパラソルを開いた即席の農家レストランもたくさんありました。
が、あんまり入る気にならず、バス停を過ぎて、さらに先へ。

なんとなく、入りやすそうかな・・・と目をやった農家さん。
タイミング良く、おばあさんが「食事していかない?」と声をかけてきたので、こちらの農家さんに入ることにしました。

自宅の前に簡単なテントとレジャー用?の机と椅子が設置されていて、そこでお茶を飲んだり、食事ができるようになっています。
手書きのメニューがありまして、それを見せてもらいます。

農家菜、決して安くはありません。街中の高級レストラン並みだったりします。
お肉やお魚のメニューは平気で50元オーバー。100元以上のものも結構ありました。
量も多いと思うので、この手のメニューは避けねばなりません。

「量の少ないのはどれ?」と聞くと、おかみさんが出てきます。
農家の人というよりは、もはやマダムという感じ。普段は街中に住んでいるのかしら、と思います。
「回鍋肉はどう?」と提案があったので、それで決定。
あとは、野菜メニューを一品とご飯とお茶をお願いしました。

農家の軒先ということで、衛生面が気になる方もいらっしゃると思います。
こちらでは、このような消毒済の食器も選択できるようになっていました。

お値段は1.5元と有料になっていて、使った場合は最後の会計で上乗せされます。
一応、この手の商売は許可制になっているようなので、色々配慮はされているようですね。

農家のお茶

お茶を頼むと、ひまわりの種がセットで付いてきました。
普通に飲むなら20元で、お茶を買うなら、無料にするよ、とのこと。

茶葉が大ぶりですが、まあ悪くないお茶ですね。
飲んだ後の余韻とかを言い始めると、大したことの無いお茶ではありますが、普通に飲むぶんには良さそう。

料理が出てくるまで、おばあさんとお話し。
あんた、日本人かい?と。日本はいい国だね。京都に行ったよ。
名古屋にも友達がいて、お茶を買いに来る、とのこと。

このへんの茶農家さんは、海外旅行できるぐらいに裕福なんですよね(営業トークの可能性もありますが)。
なので、お値段も高いんですけどw

おばあさんによれば、このぐらいの時期に来るのが一番いいよ。
もっと前の時期なら、良いお茶はあるけど、ものすごく高いから、と。
一方、おかみさんによれば、もっと早い時期、4月の初めぐらいに来ないとダメよ、とのこと。

まあ、このへんは何を重視するかですよね。
個人的には、「産地で本物の龍井茶を買ってやろう!」という気は、もはやあまりなく。
このぐらいの値頃感のあるお茶を「んー、地元産じゃないかもしれないけど、ま、コスパは悪くないから、これでいいか」程度に買う方が、気楽に楽しめていいな、と思っています。

龍井だけに凝っていて、5斤とか10斤と大量に買うなら、気合いも入ると思います。
が、私はいろんなお茶を飲みたいので。龍井は普段飲みのが、1斤もあれば十分です。
あとは素性のハッキリした美味しい高級茶(明前の獅峰とか梅家塢とか)を50gとか100g単位で買えればいいんですが、それは農家で買うよりも、多少割高であっても、専門店で小分けのを買った方が安心だと思っています。

農家で買うとなると、どうしても購入単位は大きくなりますから、多少割安でも額面では、支払総額はかなりの金額になります。
それは、この混乱ぶりの中では、リスクが大きすぎます。

なので、私はこの時期に来る方が良いのかな、と思います。
茶園の写真を撮るなら、もっと早い時期がいいんですけどね。

農家料理

そんなことをしている間にお料理登場。

回鍋肉

へちま

回鍋肉とヘチマの炒め物。
キャベツを使わない、本場の回鍋肉でした(キャベツを使うのは日本だけ。代用メニューなんですよね)。
味付けは、農家料理なのでちょっと濃いめです。ご飯がすすむ感じ。

農家菜では、プロの調理技術が必要な魚とかの高級料理よりは、野菜中心のメニューを注文した方が、個人的には楽しいんじゃないかと思います。リーズナブルですし。

お茶の商談

さて、食事も終わり、お茶の商談です。
おばあさんに、お値段を聞くと、「はー、やはり」という、お値段。

「いつの?」と聞くと「明前だ」と言います。
「どこの?」と聞くと「うちのそこの畑のだ」と。

んー、どこでも大体、この答えなんですよね(^^;)
これは営業トークだと思うことにしています。真に受けるわけにはいきません。

本当の明前獅峰龍井だったら、山の値段でも1000元を切ることはありません。
相場から乖離しすぎていますし、茶葉は嘘を言いませんからね。

ただ、品質を考えると、まあ相応だろうな・・・という値段だったので、1斤購入したいと告げました。

「1斤?そんなに少ないの?あんた日本人でしょう。日本人は緑茶をもっと飲むはずだ。名古屋の友達は3斤買っていく」と量を増やす交渉に出てきます。
さすが、龍井村の人ですね(^^;)

「まあまあ、今回は初めて来たんだし。1斤でいいでしょ」と話して、納得してもらいます。
「分かった」とお茶を箱詰めしに行きました。

で、お茶を受け取って、食事分も含めてお会計をします。
さて、お会計も済んだし・・・と思ったら、「で、もう1斤買ってかない?」と畳みかけてきます。
ははは。なかなか商売上手ですねw

こういうやり取りも「面白いなー」と思っていただける方には、ここ、とっても面白い村だと思います。

 

龍井問茶

さて、そろそろ市内に戻りましょう。
その前に、老龍井で老龍井泉を見に行けなかったので、代わりに龍井問茶へ行くことにします。

龍井村から、龍井茶室のバス停の方へ戻っていき、再びゲートを越えます。
茶館などが建ち並ぶ中を歩いて行くと、左手の林の中に、このような門が見えてきます。

こちらが龍井問茶で、入場無料です。
階段を降りていくと、このような建物が。

中に入ると右手に像があります。

立っている人が乾隆帝で、茶を作っている人に龍井茶のことを尋ねている場面です。
だから、「龍井問茶」と。

ここには龍井茶を飲めるお店があるほか、龍井泉もあります。
それがこちら。

そばに棒が備え付けられていて、これで水をかき混ぜると、水面に波紋が出るとか何とか。
老龍井泉と同じことが体験できるので、「老龍井はちょっと遠いし、有料だしなぁ・・・」という方は、こちらで済ませるのも手です。

龍井茶室バス停は、一斉に客引きの方が群がってくるところですが、ここは緑に囲まれた静かな環境。
目の前に市内方面行きのバス停があるので、ちょっとクールダウンする場所としても最適だと思います。

龍井村マップ(拡大版)

龍井村の地図を再掲しておきます(OpenStreetMapの地図を使用)。
こちらは龍井村の周辺に絞ったものです。
観光に行く際の参考にどうぞ。

 

続く。

にほんブログ村 グルメブログ 中国茶・台湾茶へ
にほんブログ村

次は市内に戻り、杭州市内の茶葉市場に行きます

「九曲紅梅と龍井茶の郷へ」記事一覧

 

九曲紅梅と龍井茶の郷へ(10)龍井村・老龍井前のページ

九曲紅梅と龍井茶の郷へ(12)杭州解放路副食品茶葉市場次のページ杭州解放路茶葉市場

ピックアップ記事

  1. 中国茶の世界にようこそ2019(2)様々な名茶と買えるところ
  2. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(1)基礎知識編
  3. 中国茶の世界にようこそ2019(1)中国茶の全体像
  4. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(3)お店選び編(台北版・その2)
  5. 台湾でお茶を買うノウハウ2018(2)お店選び編(台北版・その1)

関連記事

  1. 高速鉄道ホームにて

    中国旅行

    九曲紅梅と龍井茶の郷へ(2)上海経由で杭州へ

    成田空港でのドタバタの続きです。トラブルを細かく書いてもしょうがない…

  2. 問題のジェットスター機

    中国旅行

    九曲紅梅と龍井茶の郷へ(1)飛行機飛ばず、いきなり大ピンチ

    ちょっと古いのですが、2016年4月の旅行記です。いまさら感はあり…

  3. 台湾旅行

    台湾あちこち茶館めぐり2016(6)吉時好茶

    草悟広場へ台中刑務所演武場そばのバス停から、バスに乗ります。向かっ…

  4. 中国旅行

    九曲紅梅と龍井茶の郷へ(8)中国茶葉博物館

    3日目。本日も杭州は小雨模様です。あいにくの天気ではありますが、今…

  5. 中国旅行

    春の四川省茶旅2019(1)成都パンダ繁育研究基地

    3月19日~23日に行ってきた四川省旅行の記録を。今回は、茶旅の会…

  6. 台湾旅行

    台湾あちこち茶館めぐり2016(3)鹿港まちあるき

    日陰でミルク饅頭と肉まんの栄養補給をしたので、鹿港の観光再開です。…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

  1. 台湾旅行

    台湾あちこち茶館めぐり2016(17)水井茶堂
  2. Teamediaプロジェクト

    新茶を飲む「大陸烏龍茶」ご報告&第4弾は「中国紅茶」
  3. 中国旅行

    福建烏龍茶の旅2017(7)武夷宮から大紅袍へ
  4. お茶

    中国茶の世界にようこそ2019(3)簡単なお茶の淹れ方と茶器
  5. Teamediaプロジェクト

    セミナー「標準」を読む。第1回、開催しました
PAGE TOP