風景区の入口でチケットを購入
少々疲れるタクシードライバーと別れ、まずはチケット売り場に行ってみます。
ドライバー氏は、「風景区のチケットは入口では売っていない(だから、俺の連れて行った店で買え)」と豪語していたのですが、そんなことがあるはずはなく(※)。
しっかりと売場があり、そこで購入できます。
※実は風景区自体には市バスも走っていますし、徒歩でも自由に出入りできちゃうのです。が、入口以外の各景区の改札ではチケットを売っていません。そのことを盾に「風景区の中では売っていない」という言い方をしたのだろうと思います。それなら嘘ではないけれども、まあ事情の分からない観光客を煽る手口ですね。
風景区と風景区内の遊覧バス乗車券、竹筏下りの3つがセットになった、3日券を買います。
お値段は385元。約7000円ですね。
中国の物価を考えたら、ものすごく高いチケットだと思います。
竹筏下りはチケットを購入する際に時間を指定する必要があり、空きを聞いてみると、今日はもう空きが無いとのこと。
明日だと、朝の7時半か8時半しか無いと言います。
7時半はあんまりにも早いので、8時半の回を予約しました。
武夷山風景区の全体像
武夷山風景区、行くまで良く分からなかったのですが、いくつか見どころが集まったエリア(景区)が風景区内に点在しています。
上のチケットの一番下の部分、「天游峰」「玉女峰」「虎嘯岩」「一線天」「武夷宮」「大紅袍」「水簾洞」というのが、その見どころの名前です。
1回限り見学可となっているので、各風景区の入口のところでチケットを見せ、該当する箇所にハサミを入れてもらいます(手で破ることも)。
1つ1つの景区が独立した遊園地みたいなものだとすれば、風景区の2日券、3日券は共通入園券みたいなものですね。
で、「筏下り」とか「印象大紅袍」が特別アトラクション的な。
それぞれの景区は、1つ1つがかなり広い範囲に及んでいて、じっくりと全体を見ようとすれば、それぞれ3時間以上かかることがザラです。
どこもかなり歩きますし、景区によっては急な斜面を山登りしたりするので、体力の要る観光地だと思います。
各景区は繋がっているところもあるのですが、その道中はかなりの山道だったりして、1時間近く歩く必要があるところも。
これでは効率が悪すぎるので、風景区内を観光客専用のバスやトロッコが走っています。
多くの観光客は、それを利用して近くのバス停まで行き、そこから景区のハイライト部分だけを見て、バスに戻り、次の景区へ、というふうに移動します。
といっても、バス停から景区のハイライト(例えば、大紅袍母樹)までは、山道の遊歩道を往復30~40分ぐらいかかるので、何日間かかけて巡る方が多いようです。
観光しやすさ&満足感の関係からか人気の景区、そうでない景区というのもあります。
たとえば、虎嘯岩などは岩に山登りをする必要があり、その傾斜が急なので、人が少なめでした。
人気なのは、これから行く天游峰。それから、大紅袍、一線天あたりではないかと。
トロッコに乗って天游峰へ
チケットを購入後、入口のゲートでチケットの改札を受けます。
団体の方が多く、個人用のゲートは開いてなかったので、団体の人の最後尾について、チケットを見せて通過します。
バスの乗り場は向かう方面ごとに別れていて、天游峰行きの方へ。
他の行き先はだいたいミニバスなのですが、天游峰は人気があることと、比較的近いからなのか、このようなトロッコでした。
団体の方がドサドサ乗ってくるので、その中に紛れて乗り込みます。
時刻表があるわけでは無く、ある程度満員近くになったら出発というシステムのようです。
一番前の機関車状の車に引っ張られる貨車という感じなので、結構ガタガタと揺れますね(^^;)
御茶園跡地と九曲渓
確か10分ぐらいで、天游峰のバス停に到着しました。
バス停から、景区の入口までは結構な距離があり、とりあえず観光客の後ろについて歩きます。
道を歩いていると、このような石碑が。
献上茶を作っていた御茶園の跡地のようです。
現在は、武夷山市茶葉研究所が母体になっている武夷星茶業が管理しているみたいです。
隣には茶館っぽい建物もありました。
武夷星茶業、国営企業が民営化したみたいな会社なので、地元の顔役的な会社ですね。
風景区の中でも、このあたりに茶園を多く持っているようで、武夷星のユニフォームを着た作業員の方が色々と茶園管理の作業を行っていました。
そこを過ぎると九曲渓を渡る橋があり、冒頭の写真のような武夷山らしい風景が見えます。
もれなく観光パンフレットみたいな写真になります。
天游峰景区入口
右手に武夷精舎などを見ながら、歩いて行くと、ようやく景区の入口に。
入口のところにイラストマップがあったので、写真撮影しておきました。
地図や景区の全体像が分かるものが手元に無いので、このマップを撮影しておくのがオススメです。
こうしてみると、天游峰景区だけでもかなり広い範囲に及んでいることが分かります。
景区に入ると、岩がゴツゴツした感じのところを通っていきます。
しばらく行くと、少し開けた場所に出ます。
雲窩という場所のようです。
九曲渓の脇に広がっている平らな場所ですね。
霧が出やすく、雲の中にいるような感じになるので、この名前があるとか。
で、天游峰が目の前にあります。
え、この山を登るの・・・(^^;)
一応、登山ガイドのようなモノがありました。
海抜408.8mで、階段は848段!とのことです。
うーん、これは結構厳しそう。
でも、周りを見渡すと、かなり年輩のおじいちゃん、おばあちゃんも登っていくようです。
それを見て、
「実は、大したことないんじゃね?」
と考えて登ることにしたのですが、道中、何度も後悔することになります・・・
茶洞
階段を少し上っていくと、「茶洞」という場所に出ました。
洞窟があり、その中にあったお茶が良い出来だったとかで、この名前になったらしいのですが、武夷山らしく色々伝説があるようです。
現在は、中には何もなく。ただ、このへんは地形が非常に面白い場所なんですね。
四方を岩山に囲まれた日当たりの悪いところになっています。
で、そこを狙って、現在もお茶が植えられていました。
「日当たりが悪いところにお茶を植える」
これ、ちょっと聞くと、悪いことのように感じるかもしれません。
「植物は日当たりが重要だろう」と、普通の人は考えると思いますので。
が、実はお茶は直射日光がガンガン当たるところよりも、日陰の方が良いんですよね。
渋み成分などの生成が抑えられるので。暗いところの方が向いている植物です。
武夷のお茶は、昔からこういう岩山に隠れたような陽の当たらない場所を選び、そこで品質の良いお茶が作られています。
明日、正岩茶の核心的生産地域に行くと、特にこの日当たりの悪さの重要性を感じるのですが、ここもそんな武夷ならではのお茶の育て方が分かる場所です。
お茶は日陰が良いのだ、という知識が無いと、何のことやらさっぱりだとは思いますが・・・
こんな感じで、日中でも少し薄暗いのです。
なお、こちらの茶園は武夷星さんが押さえてるようです。
この近辺は、あちこちに武夷星さんの品種表記した看板が立っています。
一番観光客が多そうな地域を押さえているので、さすがリーディングカンパニーだな、と。良い宣伝になりますからね。
茶園の様子を天游峰の登山途中から、少し引いて撮影してみるとこんな感じ。
岩山の間に少し茶園がある感じが分かるでしょうか。
茶園部分を拡大すると、こう。
茶園といっても、ほんの僅かな面積です。
特に品質の良い岩茶ができる畑というのは、こういう小さな面積の茶園の集合体。
良いものの量が限られるのも分かります。
・・・と、お茶好き的には早くも「大収穫だ!」と思ったのですが、目の前にある大きな岩山が「大問題だ!」でした。
続く。
武夷山は体力のあるうちに行きましょうw
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